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脊柱管狭窄症の名医?

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脊柱管狭窄症の名医?
手術せず脊柱管狭窄症を治す 執筆中原稿

あなたの痛みや痺れは、こんな所に出ていませんか? 図001

<脊柱管狭窄症の特徴>
・歩いていると痛み(しびれ)が強くなる。少し休めばまた歩ける
・立っていると辛いが、座っていれば何ともない
・腰というよりお尻の付近(太ももの付け根)から痛い
・腰を曲げて歩くと楽だが、反らすと辛い
・休まず続けて歩ける距離が短くなっていくという形で進行する
・年齢は50歳以上で発症する

 上記が脊柱管狭窄症という病気の特徴です。必ず全てが当てはまるわけではありませんが、この内のいくつかが該当する方が多いはずです。


脊柱管狭窄症という病気は腰の病気なのに、腰というより腰の横、太ももの付け根のお尻のあたりから足にかけて痛みや痺れが出る病気です。

 そして、座っていれば辛くないのに、歩いていたりずっと立っていると痛みや痺れが強くなる病気です。

 本書を手にとって頂いた方は、きっと50歳以上の方でしょう。

なぜなら、脊柱管狭窄症は若い人には絶対に発症しない病気だからです。反対に、70歳を超えるとほとんどの方が脊柱管狭窄症になるのです。

 和歌山医大の研究によると、66歳以上の人の76.5パーセントに脊柱管狭窄が存在する事が明らかとなっております。

 脊柱管狭窄症は歩くと辛いため歩けなくなる病気です。日本人は平均すると70代で歩けなくなりますが、その多くはこの脊柱管狭窄症に由来します。

 年齢とともに「足腰が衰えて歩けなくなる」という事は皆さまもご存じの事と思いますが、厳密に言うと足腰が衰えて痛みや痺れが強くなって歩けなくなるのです。これが脊柱管狭窄症です。

 街を歩いていると、最近では80歳を超えるような高齢の方でも元気に歩いている方をたくさんみかけます。
 70代で歩けなくなるというのはあくまでも平均値なので、80歳でも90歳でも元気に歩ける方はたくさんおられます。
 反対に、同じくらい60代で脊柱管狭窄症が進行してしまって歩けなくなる方もたくさんおられるのです。早い人では50代でそうなる人もおられます。

 本書は、一度脊柱管狭窄症を発症してしまった人に対して、痛みや痺れを一度消失させて80歳90歳でも普通に歩けている人と同じような身体を作っていく事を目的としたものです。

 なお、図001のような場所に痛みや痺れが出る場合でも、以下のような方は脊柱管狭窄症以外の病気を併発している可能性があります。

・座り込む時、立ちあがる時につらい
・朝起きてすぐが一番つらい
・長く座っているとつらい、次に立つ時に痛い
・歩きはじめ等、動作の開始時に痛む
・腰を曲げてかがむのがつらい
・中腰の姿勢が非常につらい


 これらは脊柱管狭窄症では本来みられない特徴です。

 医療機関で脊柱管狭窄症といわれた方で、上記のような症状が現れている場合は特に注意が必要ですので、一度本書を最後までご一読頂ければと思います。


第1章 現状の把握:連続歩行距離を測定する

「歩いていると痛み(しびれ)が強くなる。少し休めばまた歩ける」

これが脊柱管狭窄症の一番の特徴で、専門用語では間欠性跛行(かんけつせいはこう)と言います。

 つまり、休みながらであればそこそこ歩く事ができるのです。

 ちょっと立ち止まって腰を曲げたり座ったりするだけで、また少し歩けるようになります。

 脊柱管狭窄症は、休まずに続けて歩ける距離が短くなるという形で進行しますので、休まずに続けてどれだけ歩けるのかを計測する事が最も重要となります。

 まずは自分の現状を知るために、休まずに続けて歩ける距離を毎日測ってみましょう。

この「休まずに続けて歩ける距離」を連続歩行距離と言います。

 距離で測る事ができると最も良いのですが、距離を測るのは難しいので、何分歩けるかを時間ではかったり、万歩計をつけて休まずに何歩歩けるのかを測ってもらっても結構です。

 毎日、続けて休まず歩ける距離を測ってみると、その日によってかなり数字にばらつきがでると思います。これはその日ごとの体調によって出る誤差ですのでこれはあまり気にしないでください。
 だから、昨日と今日の距離をくらべて一喜一憂する必要はありません。1週間とか1か月といった、ある程度の期間の平均値を比べていくことが重要なのです。

 この数字が短くなっていくようなら脊柱管狭窄症が悪化しているという事を意味しますし、長くなるならば改善している事を意味します。

 良くなっていく時も悪くなっていく時も「歩くと辛い」という感覚は当初はあまりかわりがないため、このように数字を比較していく事がとても大切です。
 多くの場合「歩くと辛い」という感覚が変わらないまま、気が付くとずいぶん歩ける距離が短くなっていたという形で病気が進行していくのです。

 脊柱管狭窄症になると歩くのが辛くなるために歩かなくなりがちです。

 しかし、この病気は老化現象の一種なので歩かなくなると余計に体が衰えてしまいます。そうなると背骨を守る筋肉が弱化して脊柱管の狭窄がさらに進んでしまいます。その結果、さらに休まず歩ける距離が短くなっていってしまうのです。

 連続歩行距離を測る時は、できれば毎回同じ条件で行ってください。例えば、朝一番に測るのと、夜に仕事で疲れてから測るのとでは条件が変わってしまうためあまり好ましくありません。

まとめ
・途中で腰を曲げたり座ったりせずに、休まず続けて歩ける距離を毎日計る
・計り方は距離でも、時間でも、歩数でも結構ですので毎回同じ数字で測る
・できるだけ同じ条件で毎日測る


第2章 脊柱管狭窄症の方の心理的な特徴

 脊柱管狭窄症の方と応対する時に受ける特徴がありますので、以下に述べてみます。もし当てはまるようなら注意してください。

・特徴1:腰は痛くないのに・・・

 医療機関で腰のレントゲンやMRIをとって脊柱管狭窄症と診断された人の特徴の一つで「腰は痛くないです」「辛いのはむしろ脚の付け根の所やフクラハギだ」と不思議そうにいわれる人がかなり多くいます。

 これは、「腰の病気だから腰が痛くなるに違いない」という思い込みから来るものです。脊柱管狭窄症の場合、大半の場合腰痛は強く起こりません。腰ではなくて図001のような場所、つまりお尻のあたりから脚に痛みや痺れが起こるのです。これを坐骨神経痛といいます。

 脊柱管狭窄症は、腰の病気ですが腰痛ではなくて坐骨神経痛を引き起こす病気なのです。こういう事を医療機関であまり詳しく説明されないため、「これは誤診なのでは?」といった疑いを持つ人すら多くいるくらいです。

 ただし、長年慢性的な腰痛が続いていたような人はこの脊柱管狭窄症が早く発症します。

特徴2:自分が高齢者であるという意識が乏しい

 脊柱管狭窄症は高齢者にしか起こらない病気です。病気というよりも老化現象の一種であり、足腰が衰えて歩けなくなりつつあるだけなのです。

 私が応対する脊柱管狭窄症の方をみていると、大きな特徴があります。それは、自分が高齢のために足腰が衰えてあるけなくなりつつあるという現実を正しく理解できないという点です。

 自分が高齢のために足腰が衰えてしまっただけなのに、なにか特別な病気にかかってしまったように思われている方がとても多いのです。

 何歳以上が高齢者であるかは議論の分かれる所ではあります。時代によっても変遷があります。


 仕事の定年の年齢は一つの参考になるでしょう。

 平均値で、体にガタがきて満足に働けなくなる年齢が定年です。雇用側から見て満足に働けない人を合理的に解雇するための制度だからです。

 かつては55歳が定年でした。現在は60歳から65歳が定年という所が大半です。

 つまり、この年齢を超えると足腰が衰えて痛みや痺れがでたり、それで歩けなくなったりするのは普通の事なのです。決して特別な病気ではないのです。

 この年齢を超えると、本書で紹介する運動のような事を行い、毎日身体のケアをしなければ痛みや痺れで歩けなくなる事は当然の事なのです。

 反対に、一度痛みや痺れが発症しても、適切な運動を続ける事で80歳でも元気に歩けている人と同じ状態にしていく事が可能です。

 ただし、痛みや痺れが一度なくなっても身体がまた衰えれば必ずまた再発しますので、運動やケアを続けなければなりません。


特徴3:運動など体のケアが続けられない

 私の元に来られる方には必ず本書で紹介しているような運動を自主練習として毎日行ってもらうようにしています。

 しかし、これを行えない人も多くおられます。継続できないだけではなく、はじめからちゃんと行ってくれない人も少なくありません。

 忙しいからとか、忘れてしまうとか、色々な事を言われます。しかし、残念ながらどんな理由をつけても自分の行動が変わらなければ体が変わる事はありません。
どんな理由があっても、必要な運動を行わなければ改善せず病状が進行するのは止められません。なぜなら、この病気は徐々に進行する病気であり自然に治る事はないからです。

 最低でも1ヶ月は運動を行い、休まず続けて歩ける距離(連続歩行距離)を測ってみないと改善しているかどうかすらわからないのです。

 痛みや痺れがまだ強く残っていても連続歩行距離が伸びているのなら継続して同じ運動を継続するべきですし、変わらないようなら運動自体が身体に合っていないかもしれないので方法の方を変えなければなりません。

 そのように、1ヶ月程度ごとに状態を確認のうえプログラムを検討していくのが理想なのですが、最初から運動を行ってもらえなければどうにもならないのです。

 他に、「自分は毎日運動を行っている」という方も結構多くおられます。状態が改善しないということはそもそもその運動が病状に合っていない可能性が高いため、運動方法を変更しなければなりません。


特徴4:薬や注射で治ると思っている

「何ヶ月も整形外科で投薬治療を行っているのに一向によくなりません」
「ブロック注射をしたのに治らない」

 このように言われる方も多くおられます。しかし、これは患者側が誤解をしています。整形外科でされる注射も処方される薬も、脊柱管狭窄症を治す作用はありません。あくまでも痛み止めなのです。現時点で脊柱管狭窄症を治す薬は存在しません。

 痛み止めの薬を増やしながら我慢できる所まで我慢して、痛みが強い時は注射をして、それでも我慢できなくなれば手術をするのか、手術はせずに車椅子で生活ができるように環境の方を整えるのかという選択をするのです。

 平均すると、男性が71歳、女性が74歳くらいでこのような選択となる事が多いようです(健康寿命:厚生労働省)

 医師にもよりますがベテランの医師になるほど、辛くてもある程度歩けているうちはあまり手術を勧めませんし、年齢によっては完全に歩けなくなっても手術を勧めない場合も多くあります。経験的に手術をしてもあまり痛みや痺れが改善しない事を知っているからです。
 むしろ手術のための入院期間中に身体がさらに衰えて歩けなくなってしまう事も多いため、多少でも歩けているうちはあまり手術を勧められない事が大半です。

 近所の整形外科のクリニックではなく、いきなり大きな病院や大学病院に行くとMRIの画像だけで判断してはじめから手術を勧められる事があります。これはそもそも大病院は手術をする所だからです。

 本来、大病院というのは近所のクリニックに通院している人が手術の必要が出て来た時に紹介状を持って訪れるところなのです。
 しかし、日本では自由に最初から大学病院であっても受診できるため、いきなり手術を勧められる事があるのです。
 大病院は手術をする所なので、行けばはじめから手術の話になる事も多いのですが、はじめから大病院に行くのはそもそも順序が違います。

 手術が必要かどうかは近所の整形外科の「かかりつけ医」が経過をみつつ判断するべきなのです。

 繰り返して言いますが、はじめからいきなり大病院に行ってはいけません。近所のクリニックのほうが、絶対にあなたの事をよく診て状態を把握してくれます。大病院に行くと流れ作業で「MRI撮影→手術」という話にはじめからなりがちです。

・・・

 いかがでしょうか? 本章では私が接する事の多い脊柱管狭窄症の方に多い特徴を挙げてみました。当てはまる所が全くないという人もおられるかもしれませんが、もし当てはまる所があるようであれば、一度よく考えてみて頂ければ幸いです。

本章のまとめ
・この病気は腰痛ではなくて坐骨神経痛が主症状
・この病気は高齢者にしか起こらない:高齢者としての自覚を持とう
・運動など体のケアを続けないと治らない
・この病気を治す薬や注射は存在しない


第3章 脊柱管狭窄症について:人はなぜ脊柱管狭窄症になるのか

脊柱管狭窄症と坐骨神経痛

 脊柱管狭窄症は腰の背骨が神経に食い込む事で引き起こされる病気です。腰の所で骨が神経に食い込むと、食い込んでいる腰の所ではなくそれよりも下の部分で痛みや痺れが出ます。

 これを坐骨神経痛と言います。

 勘違いされやすいのですが、坐骨神経痛というのは病名ではありません。これは症状の名前です。
 頭が痛ければ頭痛、腰が痛ければ腰痛というのと同じで、図001のような場所に痛みや痺れが出ていれば、原因や病名に関係なくそれは全て坐骨神経痛なのです。

 これに対して、脊柱管狭窄症は病名であり原因を現した名前です。

 図002のように、腰の骨や周りの靭帯・骨と骨の間の椎間板が加齢によって変形したり、上の骨と下の骨がズレたりして、背骨の中の管(脊柱管)の中を通っている神経が圧迫された状態が脊柱管狭窄症です。
 そして、この脊柱管狭窄症は図001のような坐骨神経痛を引き起こす代表的な病気なのです。

 この病気は座っていたり腰を曲げていると神経に対して背骨の食い込みが浅くなるためあまり痛みや痺れが出ません。
反対に腰を反ったり伸ばしたり、立ったり歩いたりすると背骨の食い込みが強くなるために痛みや痺れが強くなります。

なぜ脊柱管狭窄症になるのか

図002のように背骨が変形するとこの病気になるわけですが、なぜ加齢によって背骨にこのような変化が起こるのでしょうか?

 この理由を説明する前に、一度腹式呼吸を行ってみてもらいたいと思います。

001
お腹をふくらませながら鼻から息を吸います
002
お腹を凹ませながら息を吐きます

※呼吸の時に腰が反ったり曲がったりしないように、お腹だけを動かして呼吸を行います。
003 004

 腹式呼吸では、息を吐く時にお腹を凹ませます。この時にお腹が凹むのは腹横筋という腹筋の働きによるものです。

図003腹横筋 図004背筋(多裂筋) 図005

 人は通常、背骨を腹筋と背筋で前と後ろから支えあっています。この時腹筋がしっかり働いてくれると図の赤の部分:内臓で体重を支える事ができます(図005)
 腹筋が衰えると背筋だけで身体を支える事になってしまいます。こうなると、図の三角の部分(背骨)の先端に負荷が集中してしまいます。

 人は必ず腹筋から衰えるように衰える順番が決まっています。だから加齢によって図の右側のような状態、つまり背骨に負荷が集中した状態になってしまうのです。
 このような状態が何年~何十年という時間続くことによって徐々に背骨が変形し、図002のような背骨に変形していってしまうのです。

 腹筋が衰えると図005の右側の図のように、背筋が強く働くようになります。そうすると背筋が凝り固まります。脊柱管狭窄症で腰の辺りに鈍痛を訴える人も多くおられますが、これは背筋が凝り固まって血流が悪くなっているからです。

 このような理由から、背筋の血流不良による慢性痛が若いうちからあるような人は平均よりも早く脊柱管狭窄症になる傾向にあります。

つまり、腹筋が衰えると慢性腰痛や脊柱管狭窄症になりやすいのです。

 昔から「腰が悪い人は腹筋を鍛えなさい」などと言われがちです。しかし、図006のような腹筋の筋トレなどを行ってもあまり効果はありません。

 これは腹直筋という腹筋のトレーニングだからです。腰の改善に必要な筋肉は腹横筋という腹筋のトレーニングであり、先ほど紹介した腹式呼吸の時にお腹を凹ませる時に働く筋肉なのです。

 ひとくちに「腹筋」といっても、腹筋には4種類の筋肉があります。内蔵に近い側から順に、「腹横筋→内腹斜筋→外腹斜筋→腹直筋」と並んでいます。腰の状態を改善するためには内蔵に近い側から順に重要なのです。図007


脊柱管狭窄症の外見上の特徴

図008

 脊柱管狭窄症になると腹筋で体を前から支える力が弱くなっている人が大半です。そのため図008ように背骨が曲がって体が前に倒れがちです。また胸郭と骨盤に押されて内蔵は前方に押し出されます。
 腰が曲がったお年寄りを見かける事は多いと思いますが、それはこの様に腹筋の力が不足して体が前方に曲がっているからなのです。

 反対に、特に女性に多いのですが図009左のように腰が反って曲がりにくくなっている人も多く見かけます。
 これは腹筋が弱いのに猫背にならないよう見かけ上きれいな姿勢を保とうと意識している人に多くみられる姿勢です。腹筋が足りない分を過剰に背筋の力で補っているのです。
 この姿勢は見かけ上はキレイなのですが、進行すると図右側のように背骨の下半分が反り過ぎで、背骨の上半分が猫背になっていきます。
 お婆さんにこのような姿勢で歩いている人をよく見かけます。

 いずれの形も背骨の変形であるという点は同じです。脊柱管狭窄症という病気は、背骨が変形しながら固まっていく病気なのです。


まとめ

 この病気になっている人は腹筋の衰えにより腹筋と背筋の力関係が崩れてしまっています。だから適切な運動でこのバランスを改善していく事により改善が可能です。
 また、背骨が変形しながら固まっていく事により背骨が神経に食い込んで痛みや痺れが出る病気なので、同時に背骨の変形・柔軟性を改善していく必要があるのです。

 そのための運動方法が本書第二部の運動方法です。

第4章 脊柱管狭窄症以外の病気について

冒頭で少し触れましたが、図001のような場所に痛みや痺れが出る場合でも以下のような痛みの出方の方は注意が必要です。

・座り込む時、立ちあがる時につらい
・朝起きてすぐが一番つらい
・長く座っているとつらい、次に立つ時に痛い
・歩きはじめ等、動作の開始時に痛む
・腰を曲げてかがむのがつらい
・中腰の姿勢が非常につらい

 本来、脊柱管狭窄症ではこのような症状の現れ方はしません。ひょっとしたら他の病気を併発している可能性もあるのです。
 図001のような症状つまり坐骨神経痛が現れる疾患は脊柱管狭窄症以外にもいくつか存在するからです。
 脊柱管狭窄症以外で坐骨神経痛を引き起こす最も頻度の多い疾患が、椎間板ヘルニアと梨状筋症候群です。


坐骨神経津を引き起こすメジャーな疾患:椎間板ヘルニアと梨状筋症候群

椎間板ヘルニア
図010
 椎間板の中心にある髄核とくゼリー状の物質が椎間板の外側(線維輪)の軟骨を突き破ってしまい神経を圧迫した状態。

梨状筋症候群
図011
 お尻の筋肉が硬くなり、背骨ではなくお尻の部分で坐骨神経を圧迫している状態。お尻の筋肉が凝り固まっている状態。
厳密には腰ではなくて股関節の問題だが、神経を圧迫するので太ももや膝から下まで痛みや痺れを引き起こす事も多い。
 
椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症の鑑別法
005
写真左のように腰を曲げた時に痛みや痺れがでると椎間板ヘルニア。脊柱管狭窄症の場合は曲げても痛みはないが写真右のように腰を反らすと痛みや痺れが出る。曲げても反っても痛みが強くなる場合は脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアを併発している可能性がある。

※状態によっては曲げても反っても症状が出ないため詳しくは専門医に相談してください


梨状筋症候群と脊柱管狭窄症の鑑別法
※以下はあくまでも簡易な鑑別法です。気になる方は専門医に一度相談してください。

鑑別法1
痛みのある側の足に体重をかける→体をひねる 
006
注意点:ひねる前も後もつま先は正面を向け動かさない
007
このようにつま先が外向きにならないように注意

体重をかけてひねった時に痛みや痺れが強くなる場合は梨状筋症候群を疑う


鑑別法2
写真のように脚を組む
008 009
痛みのある側が009のようにスネの角度が立っている場合は梨状筋症候群を疑う

鑑別法3 
写真の様に脚を組む→体を前に倒す
008→010 009→011
脚を組んだ時点でスネの角度に左右の差がなくても、体を倒した時に痛みが出たり、痛みが出ている方の筋肉の張りを強く感じる場合は梨状筋症候群を疑う


注意点

 ここで紹介した鑑別法で椎間板ヘルニアや梨状筋症候群に当てはまった場合でも、医療機関で脊柱管狭窄症と診断されていれば脊柱管狭窄症である事は間違いありません。

 脊柱管狭窄症という診断が誤診なのではなく、脊柱管狭窄症とこれらの疾患が合併している可能性があるという事なのです。

 特に梨状筋症候群は脊柱管狭窄症に非常に併発しやすいため注意が必要なのですが、筋肉が原因であるためレントゲンやMRIに写りません。そのため見落とされがちなのです。


脚の痛みを引き起こす疾患

 坐骨神経痛ではなく、純粋に脚の痛みを引き起こす疾患です。脚に痛みがある場合、これらの脚の疾患を併発している可能性もあります。

 以下の疾患はレントゲンで問題がわかる病気ですが、レントゲンで異常がみられる前の段階でも強く痛みを引き起こしている事があります。

変形性股関節症
 お尻のあたりや鼠径部の痛みを引き起こします。進行するとレントゲンで関節の変形が確認できますが、レントゲン上問題なくても股関節の周囲の筋肉や靭帯などが痛みを引き起こしている場合があります。
 広い意味では、先述した梨状筋症候群も股関節の疾患です。


変形性膝関節症
 膝の周囲の痛みを引き起こします。膝の内側が痛くなる事が最も多いのですが、膝のお皿の下あたりや外側に痛みが出る場合もあります。
 ある程度進行するとレントゲンで骨の変形を確認する事ができますが、レントゲン画像で問題が映っていなくても膝の半月板や靭帯が原因で強く痛みが出ている事も多くあります。


まとめ
 脊柱管狭窄症と診断されていても、それ以外の病気も合わせて併発している可能性が高いという事を覚えておいてください。足腰の痛みや痺れの症状をすべて脊柱管狭窄症から来ていると考えるのは危険です。
 むしろ脊柱管狭窄症だけという人の方が少ないかもしれません。このような足腰の加齢による変性が重なる事で人は歩けなくなっていくのです。

 これこそが、この病気が腰の手術をしても良くならない人が多い理由の一つなのです。


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腰痛について:まとめ 大阪府東大阪市TN整体院

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・・・

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椎間板ヘルニアについて6:接骨院(整骨院)

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椎間板ヘルニアに限らず、腰痛や坐骨神経痛が病院で治らない場合、接骨院(整骨院)に行く人が多いようです。当院に来られる患者さんも、「病院に行っても接骨院(整骨院)に行っても治らなかったから来た」というような人が非常に多いです。

では、そもそも接骨院(整骨院)で椎間板ヘルニアは治るものなのでしょうか?

接骨院の先生は「柔道整復師」という資格を持った人で、その専門は脱臼・骨折・打撲・捻挫の処置です。脱臼・骨折・打撲・捻挫については、接骨院(整骨院)で医療保険を使って処置を受ける事ができます。

知人の柔道整復師の先生に聞いた所では、学校で習ったのは、基礎的な医療知識の他は、専門の脱臼・骨折・打撲・捻挫の処置だけだという事です。それが専門なので当然だと思います。


しかしながら現在、多くの接骨院(整骨院)で腰痛や腰の疾患(椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症)に対して施術が行われています。

法的には、医療保険を使わなければ特に問題ありませんが、そもそも接骨院(整骨院)の先生は、椎間板ヘルニアの病態知識や改善方法を知っているのでしょうか?

実は多くの場合、接骨院(整骨院)の先生は、打撲や捻挫以外の治療は「個人的に勉強をして」患者さんの治療を行っています。特に疾患について正規の医療教育を受けているわけではないのです。

私自身、接骨院(整骨院)の先生に教える事も多くあります。

ただ、何か基準があるわけではないので、接骨院で椎間板ヘルニアの治療などを受けると場所によって全く内容が異なるという事もよくあります。

民間療法の類を勉強して施術を行っている所が多いので、非常に変わった治療がいろいろ行われがちです。

私が患者さんから聞いた所では、長い棒2本でひたすら押されるとか、ずっと足で踏まれるとか、頭蓋骨の歪みからきているからということで腰じゃなくてクビや頭だけ触られるとか、非常に個性豊かな治療(?)が全国各地で行われているようです。すごいですね(笑)

ただ、腰痛ならヘルニアでも何でも、単にマッサージとストレッチを行うだけという所が一番多いようですが。

ちなみに接骨院(整骨院)では、腰痛治療などはヘルニアでも何でもすべて「腰の捻挫」という事で書類を作って医療保険を使ってマッサージを行う事が常態化しているようです。

当たり前ですが、椎間板ヘルニアは腰の捻挫ではありません。

もちろん違法請求なので、近年その取締りが厳しくなっているそうです。


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椎間板ヘルニアについて5:似た症状の疾患

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椎間板ヘルニアについて:まとめ 大阪府東大阪市TN整体院

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椎間板ヘルニアについてまとめてみました。

椎間板ヘルニアについて1:病院(整形外科)

椎間板ヘルニアについて2:病院(整形外科)

椎間板ヘルニアについて3:病院(整形外科)

椎間板ヘルニアについて4:手術方法

椎間板ヘルニアについて5:似た症状の疾患

椎間板ヘルニアについて6:接骨院(整骨院)


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椎間板ヘルニアについて5:似た症状の疾患

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椎間板ヘルニアとよく似た症状を引き起こす疾患が、他にも多数あります。

今回はそれをまとめてみますが、その前に椎間板ヘルニアの症状の特徴をまとめておきましょう。

椎間板ヘルニアの症状

腰ー臀部ー太ももーフクラハギー足部までの痛みと痺れ。この一部分に現れる事も多い。

立っている方がましで、座ると痛みが悪化する。
歩いていると比較的マシ。
腰を曲げると痛みが悪化する
反らすのは痛くない。

※個人差があります。


腰痛や、脚の痛みや痺れが椎間板ヘルニアの特徴です。これを坐骨神経痛と呼びます。そして、坐骨神経痛を引き起こす疾患は、椎間板ヘルニアの他にも下記のようなものがあります。

1:脊柱管狭窄症

 脊柱管狭窄症でも、腰から脚まで痛みや痺れが現れます。その特徴は、歩くと痛みや痺れが悪化する事で、腰を曲げて休むとすぐに痛みが軽快します。悪化すると立っているだけで痛みや痺れがでるようになります。
 座っているとあまり痛みや痺れはでませんが、この疾患が進行するとつねに足に痺れを感じるようにもなります。
 されに症状が進むと、膀胱直腸障害も現れて排尿排便のコントロールも難しくなります。
 背骨(脊柱)の変形によるものなので、若年者には滅多にみられませんが、60代以降では割合が多くなります。

2:腰椎すべり症

 背骨の反りが強く、腰の上の骨が前方にすべってズレてしまったような状態です(前方すべり)。後方にすべってズレている人もいますが割合は少ないです(後方すべり)。
 腰椎の上の骨と下の骨がずれてしまった事により、脊柱管が狭くなってしまい、坐骨神経痛が起こります。その為、脊柱管狭窄症と同じような症状が出る事が多いのが特徴ですが、程度には個人差があります。
 脊柱管狭窄症とくらべるとやや若い人でもみられますが、加齢によって脊柱の変形も加わると、「脊柱管狭窄症」の診断名に変わる事も珍しくありません。
 
3:梨状筋症候群

 お尻の筋肉である梨状筋という筋肉が硬くなり、坐骨神経を圧迫して坐骨神経痛を引き起こします。背骨の所ではなく、お尻の奥で神経に触れているというのが大きな特徴です。
 筋肉なので、レントゲンやMRIには写りません。レントゲンやMRIを撮っても問題がみられないと、医師から「坐骨神経痛ですね」なんて言われがちですが、この梨状筋症候群がその原因の少なからぬ割合を占めていると考えられます。

 椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症に併発しやすいのもその特徴です。

 また、MRIをとって椎間板ヘルニアがみつかったので手術をしたのに治らなかったという人の場合、痛みの本当の原因はこの梨状筋症候群である可能性があります。MRIを撮れば、成人の7割の椎間板にヘルニアはみられるといわれており、椎間板ヘルニア自体が痛みや痺れの原因であると安直に考えるべきではありません。


病院で症状の改善が見られない場合、多くの人がその次に接骨院(整骨院)に行く事が多いようです。では、椎間板ヘルニアというのは整骨院(接骨院)で治るものなのでしょうか?

次回は整骨院(接骨院)で椎間板ヘルニアが治るものなのかどうかという点について書いてみたいと思います。

次を見る
椎間板ヘルニアについて6:接骨院(整骨院)

前のを見る
椎間板ヘルニアについて4:手術方法

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椎間板ヘルニアについて4:ヘルニアの手術

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椎間板ヘルニアは本来、ヘルニア状態になった椎間板の髄核が血液中のマクロファージに貪食される事で自然と治癒します。簡単に言うと、ヘルニアになった部分が血液にとけていって、自然とヘルニアは治っていくということです。


ただし、痛みが非常に強かったり、長期間たっても自然に治らなかったりすると、病院で椎間板ヘルニアの手術を勧められる事もあります。

椎間板ヘルニアの手術方法で代表的なものは以下の通りです。料金その他はあくまでも参考例です。

1:経皮的レーザー手術

レーザーでヘルニアのある椎間板の髄核を蒸散させます。日帰りで手術可能。
費用は1か所約45万円 保険適応外

2:内視鏡下椎間板摘出術

内視鏡を入れて皮膚や筋肉を切開してヘルニアを起こしている椎間板の髄核を除去します。術創は15ミリ程度。入院期間約1週間くらい。

健康保険適応。自己負担額は約25万円+入院費(1日約15000円)

3:顕微鏡下椎間板摘出術

顕微鏡で見ながら皮膚や筋肉を切開してヘルニアを起こしている椎間板の髄核を除去します。術創は3~5センチ程度。入院期間は2~3週間くらい。

健康保険適応で、自己負担額は20~25万円程度+入院費(1日約15000円)


厳密にはもう少し種類がありますが、上記が代表的な椎間板ヘルニアの手術方法です。

一口に椎間板ヘルニアの手術といっても色々あります。

レーザー手術は入院不要ですが、負担額が大きい事と、成功確率は他の手術法より少し低くなります。

皮膚や筋肉を切開して直接ヘルニアを起こしている椎間板の髄核を除去すれば、椎間板ヘルニアの手術として確実ではある反面、特に筋肉を切ってしまうわけで、損傷した筋肉に硬さが出て、違うタイプの腰痛を引き起こす要因にもなりかねませんし、切った部分の筋肉の硬さが、次の新たな椎間板を引き起こす原因になる可能性も考えられます。

あと、入院期間は比較的長くなります。


ただ、どの手術法をとっても「椎間板ヘルニアの手術をしたのに良くならなかった!」と言われる方は少なからぬ割合で存在します。

そもそも、それらの人たちの痛みや痺れの原因は、本当に椎間板ヘルニアによるものだったのでしょうか?

椎間板ヘルニアに似た症状をきたす病態は他にも何種類かあります。

恐ろしいことですが、MRIの画像診断のみを根拠に手術が行われる事が多いので、必要のない椎間板ヘルニアの手術が行われる事もめずらしくないのです。

次回は、椎間板ヘルニアとよく似た症状を引き起こす病態を紹介したいと思います。

次を見る
椎間板ヘルニアについて5:似た症状の疾患

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椎間板ヘルニアについて3:病院(整形外科)

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椎間板ヘルニアについて:3 ヘルニアと病院(整形外科)

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 今回は椎間板ヘルニアで病院へ行った時に行われる治療について考察したいと思います。

1:痛みどめの薬

 椎間板ヘルニアで腰痛や痺れを訴えると、痛み止めの薬を処方される事が最も一般的なヘルニアへの処置となります。痛み止めの薬が出されないという事はまずありません。
 この薬は、あくまでも痛みを止めるものであって、基本的にこれを飲めば椎間板ヘルニアの治りが良くなるとか早くなるというものではありません。だから、飲んでもヘルニアの痛みがマシにもならないのに、飲み続ければ良くなるというものではありません。
 ただし、飲まない方が良いというものでもありません。例えば、痛くて夜眠れないとか、日中も常に痛みで精神的に辛いというようであれば、痛みどめの薬を飲む方が良いでしょう。
 自律神経との兼ね合いで、痛みで寝られなかったり精神的な負荷が強かったりすると、筋肉が硬くなってしまい、椎間板ヘルニアが治るのを阻害してしまいかねないからです。

 ただし、あくまでも一時的な服用に止めるべきなのは言うまでもありません。一番恐ろしいのは、痛みどめの薬で誤魔化しているうちに、椎間板ヘルニア自体が悪化していく事です

2:湿布

 病院で処方される医療用の湿布の場合、鎮痛剤が染み込んでいて、皮膚から痛みどめの薬が吸収されて痛みどめの薬と同じ効果が期待できます。飲み薬と比較して効果が弱い反面、胃腸や肝臓への負担は少ないため、そういう意味では飲み薬より安全性は高いと言えます。
 ただ、湿布というものの性質上、かぶれる事も多いというデメリットもあります。

 言うまでもなく、椎間板ヘルニアを治す作用があるわけではなく一時的に痛みを軽減させるためのものなので、効果を感じないのに貼り続けても意味はありません。


3:腰椎牽引

 椎間板ヘルニアの物理療法として比較的多く行われます。腰を上下に引っ張るわけですが、10分程度の時間、引っ張ったり戻したりする程度であり、椎間板ヘルニアを整復するような作用があるわけではありません。
 近年、この腰椎牽引は「効果がない」という研究結果が相次いで出されているのですが、とりあえず腰痛や椎間板ヘルニアの患者さんが来た時にはルーチンで腰椎牽引の指示が出されがちです。

4:ブロック注射

 椎間板ヘルニアで腰痛や脚の痛みや痺れが強いと、ブロック注射を打つ事が多くあります。ブロック注射というのは局所麻酔の事です。麻酔なので椎間板ヘルニアを治す効果はありませんが、痛みに関しては最も強力な鎮痛作用を持ちます。
 この注射で椎間板ヘルニアを治す作用はありませんが、自然に症状が軽減するまでの間の痛みを耐えるためになら有効です。反面、自然に椎間板ヘルニアが治らないような状態であるのに、ブロック注射で痛み誤魔化しているうちに椎間板ヘルニア自体が悪化する可能性もあるため注意が必要です。


痛みどめで誤魔化しながら自然と治るのを待つのではなく、病院で椎間板ヘルニアを積極的に治す方法は手術しかありません。

椎間板ヘルニアの手術方法は複数の種類があり、種類によって費用や身体への負担、あと入院期間なども異なります。

次回は椎間板ヘルニアの手術方法の違いについてご紹介して参ります。

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椎間板ヘルニアについて4:手術方法

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椎間板ヘルニアについて2:病院(整形外科)

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椎間板ヘルニアについて:2 ヘルニアと病院(整形外科)

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 椎間板ヘルニアで病院に行くと、手術を勧められる事もあります。では、手術をすれば椎間板ヘルニアは治るものなのでしょうか?

 「椎間板ヘルニアで腰の手術をしたけど全然治らなかった」「椎間板ヘルニアの手術をしたら逆に悪くなった」などという話を、私は仕事柄よく聞きます。このページを読まれている人も、実際に手術をしたのに良くならなかったという声を聴いた事があるかもしれませんね。

 では、なぜ椎間板ヘルニアで腰の手術をしても痛みや痺れが取れない人がこれほど多いのでしょうか?

 これは根本的な問題なのですが、そもそも、その痛みや痺れは本当に椎間板ヘルニアが原因なのでしょうか?

 椎間板ヘルニアの様な、腰から脚にかけて痛みや痺れが出る病気は他にもいくつかあるのですが、中にはレントゲンやMRIには写らないものもあるのです。

 その中の一つが、梨状筋という筋肉がお尻の所で坐骨神経に触れて腰痛や痺れが出現する「梨状筋症候群」です。

 この梨状筋症候群は、椎間板ヘルニアに併発して起こりやすい病態です。椎間板ヘルニアの痛みが続く間に、その痛みを感じる部分の筋肉が硬くなってしまい、椎間板ヘルニアとは別の要因でさらにその場所の痛みを強く感じるようになってしまうのです。

 椎間板ヘルニアの症状自体は、基本的に自然に軽快するものなのですが、梨状筋症候群は筋肉の硬さが痛みの原因なので、放置しても自然には治りません。

 MRIで椎間板にヘルニアがみられても、本当の痛みや痺れの原因がこの「梨状筋症候群」の方であれば、もちろん手術をしても何も変わりません。

 実は、成人の7割は腰痛の有無にかかわらず、MRIを撮れば椎間板ヘルニアが確認されたという研究があります。つまり、椎間板ヘルニアがMRIで確認されても大半の人は痛みも痺れも感じていないのです。

 なのに、痛みがあるからMRIを撮ってみて、ヘルニアがあるから手術をして、という事を行っても治らないのは当たり前です。

 恐ろしい事なのですが、この様な安易な診断によって手術が行われる事はさほど珍しい事ではないのです。その結果が「椎間板ヘルニアの手術をしたのに全然良くならない」という結果を生むのです。良くならないくらいなら良いほうで、当然身体の一部を切開するので、その周囲の筋肉が硬くなってしまい、症状をさらに悪化させる事すらあります。

 さらに、本当に椎間板ヘルニアが痛みの原因であって、手術をして良くなった人でも、椎間板ヘルニアを発症した原因である身体の問題を解決せず、ヘルニアだけを切り取っただけなので、再発率は高い数字となります。

 実際に、椎間板ヘルニアの手術を数年おきに繰り返す人も少なからず存在します。

 本来、椎間板ヘルニアは切り取らなくても治るものなので、身体の問題点を一つずつ解決して治していかなければならないのです。

次回は実際に椎間板ヘルニアの診断名がついた人が病院でどの様な治療を受けるのかという事と、その効果についてご紹介します。

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椎間板ヘルニアについて3:病院(整形外科)

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椎間板ヘルニアについて1:病院(整形外科)

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椎間板ヘルニアについて:1 ヘルニアと病院(整形外科)

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 腰の椎間板ヘルニアになった場合、最初に訪れるのは病院であると思われます。では、病院で椎間板ヘルニアは治るものでしょうか?

 基本的に、椎間板ヘルニアは一度ヘルニアになっても自然に4~8週間程度で治るものです。

 ギックリ腰と呼ばれるものの何割かは急性の椎間板ヘルニアなのですが、ほとんどの場合、痛み自体は2週間から4週間程度で軽快し、画像上の所見も4週から8週程度でヘルニアが見られなくなります。

 しかし、椎間板ヘルニアが治らないような負荷が腰にかかった状態だと、何日たってもヘルニアに由来する腰痛や足の痺れ・痛みが治らないという事になります

 ギックリ腰の様な急性の椎間板ヘルニアではなく、慢性的な腰への負担からヘルニア状態になっている人も多くいます。

 この様な人の症状の大半は慢性的な腰痛と脚の痺れや痛みです。長年の腰への負担が常態化してしまって、椎間板に常に負荷がかかった状態で過ごしているため、徐々に椎間板ヘルニアが発現し、治らないまま年月が経過してしまっているのっです。

 急性に発症した椎間板ヘルニアも、慢性的に発生してきた椎間板ヘルニアも、どちらも改善されないまま放置すると症状は悪化していきます。

 最終的には椎間板自体が薄くなってしまい、骨の隙間が狭くなってしまい、「痛くて歩けない」という状態になりがちです。

 では、本題なのですが、椎間板ヘルニアの中でも自然に治らないようなものは病院で治るようなものなのでしょうか?

 残念ながら、病院では根本的な治療は望めません。せいぜい、「痛みどめの薬」「湿布」「腰の牽引」「ブロック注射」といった対処療法が為されるだけです。

 もし、手術をしないのであれば、病院での治療は椎間板ヘルニアが自然に治るまでの間、痛みを軽減する為の治療なのです。決して治癒を促進するようなものではありません。

 もし自然に治らないような椎間板ヘルニアであれば、時間の経過とともにむしろ悪化してしまいます。

 では、手術を行えばどうでしょうか?

 次回は手術と椎間板ヘルニアについて考察していきたいと思います。

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椎間板ヘルニアについて2:病院(整形外科)

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