坐骨神経痛を大阪で治療 - 大阪「TN整体院」

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坐骨神経痛を大阪で治療

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はじめに

 腰痛や坐骨神経痛に悩む人は全国にたくさんおられると思います。何を隠そう、私自身が過去に椎間板ヘルニアになってしまい苦しい体験をした事があります。
 理学療法士という国家資格をとって病院に入職してすぐに、腰を悪くして椎間板ヘルニアとの診断を受けました。
 
 理学療法士の仕事は、病人や怪我人に対して徒手療法や運動療法を行って病気を治すためのリハビリテーションを行う仕事です。

 恥ずかしい話なのですが、寝たきりの患者さんを起こしたり車椅子に移したりする事になれておらず、腰に負担をかけて腰痛になってしまいました。
 そこで一般的な腰痛体操としてストレッチを自分で行った事がきっかけでさらに悪化して椎間板ヘルニアになってしまったのです。

 その後、職場の先輩にみてもらったりもしたのですが全然良くならないので、自分で改善方法を探し漁りました。

 その時にたどりついたのがこの骨盤転がしです。

 その後、多くの患者さんにも実際にこれを行ってもらい良好な成績を収める事ができました。

 かつての私と同じように、間違ったストレッチを行って腰痛をさらに悪化させたりする事のないように、そして現在の腰痛・坐骨神経痛を早く治すために、本書で紹介する運動方法を実践してみてください。


第1章 骨盤転がし 基本

1:骨盤転がしの方法

001 002


Q&A

1:1日に何回くらい行えば良いですか?

 できれば最低でも時間を空けて3回くらいは行ってください。頻度は多いほど良いのですが、10分以上時間を空けて運動を行ってください。

2:5~10回と書いてありますが、もっと行っても良いですか?

 一度に行う回数は長くても10回で止めてください。一度に長く行うと逆効果になる事もあります。反対に間を開けてたくさん行うのであれば2~3回でも良いくらいです。
 一度に行う回数が少なくても、1日に何度も行ってもらえば効果があります。


3:呼吸に合わせて運動を行う方が良いですか?

 呼吸に合わせる必要はありませんが、息を吸いながら腰を伸ばして息を吐きながら腰を曲げるとやりやすいので、そのように行ってもらっても結構です。


4:どれくらい行えば効果がありますか?

簡単な運動ではありますが、すぐにわかりやすく効果を感じるものではありません。まず1か月程度続けてみてください。


5:特に痛みはありませんが骨盤のゆがみが気になります。この運動で骨盤のゆがみは改善しますか?

 誰が行っても健康に良い運動です。骨盤のゆがみが気になる人は本書の第6章を御一読のうえ是非行ってみてください。


6:この運動をする時に痛みがありますが、行うべきですか?

 腰を曲げ伸ばしする時に痛みがあり、繰り返すうちに痛みが軽減する場合は行ってください。
 もし、繰り返すうちに痛みが強くなったり、運動後に痛みが強く残る場合は避けてください。
 椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症と病名が判明している方は、後章の疾患別の方法・注意点をご参照ください。


7:他のストレッチと組み合わせて行っても良いですか。

 基本的に問題ありませんが、腰の悪い人は一般的な前屈や開脚のストレッチは避けてください。足を組んで腰を曲げるストレッチを骨盤転がしと一緒に行ってもらうととても有効です。是非一緒に行ってみてください。
図002

・・・

 腰痛に悩む人は全国にたくさんおられます。慢性的な腰痛を放置してしまい、腰椎の椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症といった腰の病気を引き起こしてしまう事があります。
 椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症という病気になると腰痛だけではなく坐骨神経痛という症状が引き起こされます。

図001
坐骨神経痛というのは図001のような場所に痛みや痺れが出ている状態の事です。元は腰の病気なのですが、脚にまで症状が出て来てしまいます。

坐骨神経痛の方に多い特徴を2例挙げてみます。

例1
・朝起きてすぐが一番つらい
・着替え、特に靴下をはく時がつらい
・中腰の姿勢がとてもつらい
・立ち上がる時つらい
・座っていても立っていても同じ姿勢が続くとつらい

例2
・歩くとつらいが、座っていれば何ともない
・少し腰を曲げて休めばまたすぐに歩ける
・腰を曲げて歩くと楽。伸ばして歩くとつらい
・年齢は50歳以上だ。


 もしこういった坐骨神経痛の症状が現在みられるようであれば、本書で紹介する骨盤転がしを一度試しに行ってみてください。
 椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症は手術をしなくても多くの場合治す事が可能です。

 また、慢性的な腰痛がある方は椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症を引き起こされないうちに、この骨盤ころがしを行って腰痛と無縁の生活に戻って欲しいと思います。

 骨盤ころがしはとても簡単な運動です。是非この運動で自分で骨盤のゆがみを改善して腰の状態を改善してみてください。

第2章 腰痛の原因

 腰痛の原因として最も多いものは筋肉が原因の腰痛(筋筋膜性腰痛)です。図003にある、背骨の横にある筋肉の腰の部分が凝って硬くなる事で痛みが生まれます。
 
 硬くなった筋肉が腰の周りの靭帯などの組織を引っぱったり、背骨の関節のかみ合わせを悪くしてしまい、寝返り・立ち上がりなどの動作時に強い痛みを引き起こす事もよくあります。


 図003の筋肉に慢性的に負担をかけ続ける事で、この筋肉が原因の腰痛がうまれるのですが、なぜこの筋肉は凝り固まってしまうのでしょうか? 

 図004腹式呼吸

 それを理解するために、まず一つ運動を行ってもらう必要があります。図004のように腹式呼吸を行ってみてください。お腹を凹ませながら口から息を吐くだけです。

 この時にお腹を凹ませる働きをする筋肉が腹筋(腹横筋)です。この腹筋が衰えると体の反対側にある背筋に負担がかかってしまうのです。

 相対的に、腹筋は背筋よりも衰えやすいのです。大事なのはこの場合の腹筋は図005のような一般的な腹筋運動で鍛える腹筋ではありません。
これは腹直筋という別の腹筋のトレーニング方法です。この運動は腰が悪い人が行うと余計に悪化する事もあるので避けた方が良いので覚えておいてください。

図005腹筋運動

 腰痛と関わりが深いのは腹直筋ではなくて腹式呼吸の時などに使われる腹横筋という別の腹筋なのです。

図006

 図006を見てください。ちゃんと腹筋が働く場合、図の左側のように腹筋と背筋で前後から背骨を支えてくれます。
 しかし、腹筋が衰えて働きが悪くなると背中側の背筋だけで体を支えなければなりません。そのため背筋が頑張り過ぎてしまい、常に筋肉が凝り固まった状態になってしまうのです。

 図の右側のような状態になると、内臓の部分で体を支えられないため下図の三角のテコの支点の先端部分に負担が集中する事になります。

 実際にはここは背骨なので、背骨に負担が集中する事になります。

 このような状態の時に不意に何かの拍子に強い負担がかかると骨と骨の間にある椎間板が破れて中身が後ろに飛び出してしまいます。これが椎間板ヘルニアです。

 また、急に強い負担がかかるのではなく、図の右側のような状態が何年・何十年も続くとこの部分で徐々に背骨がずれてきたり、骨が変形したり椎間板が薄くなって骨と骨の間隔が狭くなったりしてきます。これが脊柱管狭窄症です。(骨のズレだけだとすべり症・骨の変形だけだと変形性腰椎症)

 このように、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症になる人は元々筋肉が原因の腰痛を持っていた人が多いのです。

そして、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症になると坐骨神経痛まで出て来てしまうのです。

第3章 坐骨神経痛の原因

 慢性腰痛が悪化すると腰椎の椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症のような病態となり、腰痛だけではなく坐骨神経痛まで引き起こされてしまいます。この二つの他にも「梨状筋症候群」という筋肉が原因となって坐骨神経痛もありますので、この章では椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症・梨状筋症候群の三つについて説明いたします。

1:椎間板ヘルニア
 背骨の骨と骨の間にある椎間板の中身が後ろに飛び出して神経を圧迫している状態です。
図007 椎間板ヘルニア


 椎間板ヘルニアはレントゲンには写りません。MRIを撮ると図のように映ります。
図008 椎間板ヘルニアMRI


 椎間板ヘルニア自体はMRIをとらないとわからないのですが、ベテランの医師の中にはレントゲン写真と症状からMRIを撮らずに椎間板ヘルニアと診断する人もいます。

「痛み方の特徴」

朝一番が辛い
朝、靴下をはいたり着替えたりがとてもつらい
立ち上がり・座り込みが辛い
座っているより立っている方がマシ
じっとしているより歩いている方がマシ

※すべてが当てはまるわけではありません


2:脊柱管狭窄症(変形性腰椎症・すべり症)
 老化により背骨が変形している状態です。骨や椎間板・靭帯が変形したり上の骨と下の骨がズレたり、骨と骨の間が狭くなるなど人によって変形の仕方は多様です。
図009狭窄症イラスト


 背骨の変形がさほど大きくない場合は変形性腰椎症と診断されたり、骨のズレだけが目立つ場合はすべり症(腰椎変性すべり症)などと診断される事もあります。
 レントゲン写真を撮った時点で変形性腰椎症やすべり症と診断された場合でも、改めてMRIを撮ったら脊柱管狭窄症という名前に病名が変わる事もあります。
図010狭窄症MRI

 本来はMRIを撮って確定診断とされますが、レントゲン写真を撮っただけでも骨と骨の隙間が明らかに狭くなっているような場合は脊柱管狭窄症と診断される事もよくあります。


「痛み方の特徴」

立っているのが辛い
座っていると楽
歩くとすぐ休みたくなる
少し休むとすぐ痛くなくなる
朝より夕方の方が辛い
腰を反ると痛い

※すべてが当てはまるわけではありません


3:梨状筋症候群
図011
 背骨ではなくてお尻の梨状筋という筋肉が原因で起こる坐骨神経痛です。梨状筋が何らかの原因で凝り固まってしまい、硬くなった筋肉が股関節の裏側で坐骨神経を押してしまうために起こります。

 坐骨神経痛があるのにMRIをとっても椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの異常が何も見つからない場合、大半の原因はこの梨状筋症候群です。

 筋肉はレントゲンやMRIには写らないため見落とされがちです。

症状の特徴は椎間板ヘルニアに似ています。

朝一番が辛い
朝、靴下をはいたり着替えたりがとてもつらい
立ち上がり・座り込みが辛い
長い時間同じ姿勢でいると辛い


※すべてが当てはまるわけではありません

・・・

梨状筋症候群のややこしい点は、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症に併発している事も多いのです。梨状筋症候群はレントゲンやMRIには写らないので、ここで簡単な鑑別法を御紹介します。椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症と診断されている人も、是非一度試しに行ってみてください。

鑑別法1
003 004 005 006
① つま先を少し開いて立つ
② 痛い側の脚に体重をかける
③ つま先を内側に向ける
④ 痛い側に体重をかける

※膝や腰が曲がらないよう、背すじを伸ばして行ってください。

②よりも③や④の方が痛みが強い場合は梨状筋症候群を疑う

鑑別法2
写真のように脚を組む
左右とも同様に行い見比べます。
007 008
写真右側のように、痛む方のスネの角度が立ってしまっている場合は梨状筋症候群を疑う

鑑別法3 
写真の様に脚を組む→背筋を伸ばしたまま体を前に倒す
左右とも同様に行います

009 010

脚を組んだ時点でスネの角度に左右の差がなくても、体を倒した時に痛みが出たり、痛みが出ている方の筋肉の張りを強く感じる場合は梨状筋症候群を疑う


注意点
 ここで紹介した鑑別法で梨状筋症候群に当てはまった場合、梨状筋症候群で坐骨神経痛が出ている可能性が高いといえます。しかし、そもそもこの梨状筋症候群は椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症に併発しやすいものなので、やはり坐骨神経痛が出現している場合は、診断の通り本当の意味での椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症である場合が大半です。

 しかし、この梨状筋症候群による坐骨神経痛が併発する事で、痛みの出方を強くしていたりややこしくしている場合が多いのです。

 例えば典型的な椎間板ヘルニアの場合は腰を曲げると痛いけど反っても痛くないはずなのですが、梨状筋症候群が併発していると腰を反っても痛みが出る事もあります。

 脊柱管狭窄症の場合、座ったり寝たりしている状態では痛くないのですが、梨状筋症候群が併発すると長く座っていると辛いとか、寝返りするのも痛いというような痛みの出方をする事があるのです。

 ですので、お尻の筋肉のストレッチなどを行い梨状筋の状態も一緒に改善していく事が大切なポイントとなります。先述の鑑別法で梨状筋症候群が疑われた方は是非このストレッチも行ってみてください。


お尻の筋肉のストレッチ(大殿筋浅層)

方法
009 010
写真のように脚を組みます
そのまま体を前に倒します
このまま20秒間止めます


注意点
特に男性に多いのですが、強く引っ張れば早く良くなるわけではありません。すこし張りを感じる所で止めてください。強く引っ張りすぎると伸びずに傷めてしまいます。
 回数は多く行ってもらうほど良いのですが続けて5回10回と行うのではなく、30分~1時間ほど開けて行ってください。
 できれば最低でも時間を空けて一日3回は行ってください。


第4章 なぜ手術をしなくても骨盤転がしで治るのか

 前章でも紹介しましたが、もう一度椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症のMRI画像の例を見てみましょう。

図008 椎間板ヘルニアMRI
図010狭窄症MRI

 椎間板ヘルニアの研究で、健康な人(足腰の痛みがない人)のMRIを撮った結果、76%の人に図004のような椎間板ヘルニアの画像が確認されたという報告があります。※1
 他の椎間板ヘルニアの研究でも、健康な人(足腰の痛みがない人)のMRIを撮ると60歳未満の20%、60歳以上の36%に椎間板ヘルニアが確認されたという報告があります。※2
 研究報告ごとに割合の差はありますが、平均すると足腰に痛みのない人の約半数に図008のような椎間板ヘルニアが存在するという事が判明しています。これを無症候性の椎間板ヘルニアと言います。

 
 脊柱管狭窄症においても過去に行われた大規模調査の結果、平均年齢66.3歳のグループでMRIをとったところ76.5%の人に中等度以上の脊柱管の狭窄がみつかったというデータがあります。ただし、足腰の痛みや痺れなどの自覚症状があったのは約15%だけだったのです。※3

つまり、MRIをとって図010のような脊柱管狭窄の画像が映っていても9割近い人はどこも痛くなかったという事です。(無症候性の脊柱管狭窄)

 このように、椎間板ヘルニアも脊柱管狭窄症も症状が現れない無症候性の割合がかなり高いのです。

つまり、MRIに椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症が映っているのにどこも痛くない人達と同じ状態に戻す事で、この病気の症状は消失するのです。

 その為の方法が、本書で冒頭に紹介した骨盤転がしを地道に行う事なのです。

 骨盤まわりの筋肉の状態が改善すると、動作時に椎間板などの組織が神経に食い込まなくなるので痛みや痺れがなくなると考えられます。

図012
特に骨盤転がしを行うと、背骨を前と後ろから支えている腹筋・背筋が適度に働き筋肉の状態が改善します。筋肉の状態を改善するというのは、筋肉を鍛えるという事ではないのです。

※1 Boos N. et al: Spine,1995
※2 腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン
※3 Prevalence of symptomatic lumbar spinal stenosis and its association with physical performance in a population-based cohort in Japan: the Wakayama Spine Study.
Ishimoto Y, Yoshimura N, et al.
Osteoarthritis Cartilage. 2012


第5章 椎間板ヘルニア 改善方法

 医療機関で既に椎間板ヘルニアと診断されている方はこの章で説明する注意事項をよく読んでから骨盤転がしを行ってください。

まず、以下のような症状が自分に当てはまるか確認してください。

・朝、起き上がるときつらい
・朝、靴下をはくのが辛い
・写真のように前屈すると強く痛みや痺れがでる 008

もし、このような症状がある場合、まず日常生活の中でできるだけ腰を曲げないように注意してください。
例えば、靴を履く時や立ち座りの時など、日常生活では自然に動作をすると腰が曲がってしまう動作がたくさんあります。その一つずつで、腰が曲がらないように注意してください。
 また、低い所に座ると腰に曲がる力が働いてしまうので、できるだけ高い所に座るようにしてください。
 床にはできれば座らない方が良いのですが、どうしても座らなければならない時は背筋を伸ばして正座で座ってください。


靴を履く 悪い例011 良い例012
靴ベラを使ったり、踵を触らなくても履ける靴を履きましょう。

立ち上がり 悪い例013 014 良い例015 016 017
腰を曲げず膝を使って立ち座りしましょう。

座位 悪い例018 良い例019 020
腰を曲げずに座りましょう。座面の高さは足底が付く範囲で高いほど良いです。

床座位 悪い例021 022 良い例023
床に座る時は正座で座りましょう。

椎間板ヘルニアというのは病気というよりケガの一種という側面が強い疾患です。

図007
 図のように椎間板の外側の軟骨(線維輪)がやぶれてゼリー状の髄核が後ろに飛び出し、これが神経に触れて痛みや痺れを引き起こします。
 安静にしていれば、飛び出した髄核が血液に吸収されつつ破れた軟骨部分(線維輪)が修復されて2~3か月で自然に治る事もよくあります。

 しかし、腰を曲げる動作を行うと椎間板の傷口が開いてしまうため、いつになっても椎間板ヘルニアが治らないのです。

 だから、腰を曲げると傷口が開いてしまい痛みが出ます。こういう事を繰り返しているといつまで経っても椎間板ヘルニアが治らずに慢性化してしまうのです。

 ただし、腰を曲げない様にしていると腰が固まって曲がらなくなってしまいます。それを避けるために骨盤転がしを行って痛みや痺れが出ない範囲で腰を動かしてあげないといけないのです。
ただし、この運動で腰を曲げるだけで痛みや痺れが強く出る場合は運動を行わず、腰を曲げない様に注意だけしてください。多少曲げても辛くない段階まで改善してから骨盤転がしを行ってください。

 できれば、椎間板ヘルニアの人は020のような高いイスに座って骨盤転がしを行ってください。


第6章 脊柱管狭窄症 改善方法

 医療機関で既に脊柱管狭窄症と診断されている方で、以下の症状が現れている人は特にこの章の説明をよく読んでから運動を行ってください。

・歩くと痛み・痺れが強くなる。少し立ち止まって腰を曲げればまたすぐ歩ける

 脊柱管狭窄症は老化現象に伴う病気で通常50歳より早く発症する事は稀です。坐骨神経痛が原因で休まずに続けて歩ける距離が短くなっていくという形で、歩行能力が低下していく病気です。

 歳をとると足腰が衰えて歩けなくなる、というのは皆さま知識としてはご存じの方が多いのですが、足腰の筋力が低下して歩けなくなる人は稀で、ほとんどの人は痛くて歩かないうちに歩けなくなり、足腰の力が弱ってしまうのです。

 平均するとこのような老化は現代人だと70代で起こります。しかし、あくまでも平均なので、80歳でも90歳でも元気に歩ける方はたくさんおられます。
 しかし、平均値でいうと70代で歩けなくなるのに、80代や90代でも歩ける人がいるという事は、70歳までに歩けなくなる人も一定の割合でかなり存在するという事になります。

 50年前くらいであれば、60代で腰が曲がって脚に神経痛があって歩きにくいという人はもっとたくさんいたはずです。この50年の間に日本人の栄養状態が改善されたり日本人が肉体労働をあまり行わなくなったので、足腰が70代までもつようになったのです。

 昔は仕事の定年は55歳でした。つまり60歳までに体を悪くして働けなくなる人がたくさんいたのです。

 MRIが普及したために脊柱管狭窄症という病名がつけられるようになりましたが、昔は「お年寄りの神経痛」としか言われなかったものなのです。

 この病気になると、歩くのが辛くなるために歩かなくなりがちです。しかし、老化による病気なので歩かずに安静にしていると病気がどんどん進行してしまいます。
 しかし、この病気になるという事は無理をしてもいけないという事を意味してもいます。歩かないといけないけど、歩く以上の事はやりすぎになってしまうという事です。

 男性に多いのですが、間違っても足腰の筋肉を鍛えて治そうなどと考えないでください。過剰な負荷をかけるとかえって症状が悪化してしまいます。

 この病気は、ちょっと腰を曲げて休むとすぐにまた歩けるようになります。ですので、このちょっと腰を曲げて休まずに歩ける距離を毎日測定し、改善しているのか、病気が進行しているのかを確認しなければなりません。以下の方法で毎日歩ける距離は計測してください。

連続歩行距離の測定

方法

途中で腰を曲げたり、座り込んだりせずに、休まず続けて歩ける距離を計測します。信号などで立ち止まったりせずに歩ける場所で計測してください。そして無理せず歩いて休みたいと思った所までの距離を毎回測ってください。

 距離で測れると最も良いのですが、これはなかなか難しいと思いますので万歩計をつけて歩数でカウントするか、ストップウォッチで何分歩けるかを時間で計測します。

 特に時間で計測する時は、正確に測定してください。例えば4分と6分では1.5倍違いますが、「5分くらいかな」という感じで大体の数字にしてしまうと差がわからなくなってしまいます。

 できるだけ毎日同じ条件で測れるのが理想です。毎朝同じ道を歩いたり、杖を持って歩くなら毎回杖を持って歩いて測ってください。


注意点1
 何かのついでに測るのではなく、わざわざこの連続歩行距離を測る為だけに時間をとってウォーキングをしてもらう事が最も重要です。

注意点2
 歩ける距離はその日その時の調子によって波があると思います。ですので、昨日より今日の方が距離が長かった・短かった等は気にしないでください。

 1週間の平均値を次の1週間の平均値と比較して改善しているかどうかを判断します。

 最低でも1か月はこれを毎日続けて1週間ごとの平均値を比較してください。

 毎日骨盤転がしを行いながら、1日1回この連続歩行距離を測り、状態が改善しているのかどうかを確認します。

 最初の1週目の数字と4週目の数字を比べたり、4週目と8週目の数字を比較したり、という見方でみます。

注意点3
 30分歩ける所に到達したら辛くなくてもそこで止めてください。そして、できればその後も毎日30分のウォーキングを続けてください。

注意点4
 歩くと痛いけど休まずに歩き続ける事ができる人は、この連続歩行距離をはかる必要はありません。しかし、30分休まずに歩けるかどうかは一度みておいた方が良いでしょう。

・・・

その他
 脊柱管狭窄症の方はお尻から太ももの筋肉が硬くなって痛みが増強されている方も多いので、できれば骨盤転がしに加えて、以下のストレッチも一緒に行ってもらうと更に改善率が上がります。

方法
009 010
写真のように脚を組みます
そのまま体を前に倒します
このまま20秒間止めます


注意点
特に男性に多いのですが、強く引っ張れば早く良くなるわけではありません。すこし張りを感じる所で止めてください。強く引っ張りすぎると伸びずに傷めてしまいます。
 回数は多く行ってもらうほど良いのですが続けて5回10回と行うのではなく、30分~1時間ほど開けて行ってください。
 できれば最低でも時間を空けて一日3回は行ってください。

・・・

30分歩いても症状がでなくなるまで改善すると日常生活で症状が出る事がなくなるため、大半の方は「治りました!」と言われます。そこが最終的な目標となります。

 骨盤転がし自体は簡単ですが、連続歩行距離を測るのはすこし面倒だと思います。でも、歩行能力の低下がすでに始まっているようであれば、一度真剣に取り組まれる事をお勧めします。最後に、参考例として歩行能力低下の例を紹介しておきます⇒図
図013


第7章 骨盤のゆがみと骨盤転がし

 この章で紹介する運動方法は人によっては少し難しいものも含まれます。上手くできないようであれば無理に行わず、冒頭で紹介した基本の骨盤転がしだけでよいのでしっかり行ってください。

骨盤のゆがみ

図 014 015 016

 図のように、骨盤のゆがみには、前後方向のゆがみ、左右方向のゆがみ、回旋方向のゆがみの3種類が存在します。
 冒頭で紹介した骨盤転がしの方法は前後方向のゆがみに対して特に有効です。また、この前後方向の歪みが最も腰痛や坐骨神経痛に直接関係するため重要です。

図017 024
 女性に多いのは骨盤が前に傾いて反り腰になってしまっているパターンです。これが進むと、バランスをとるために図017のように背骨の上半分は反対に曲がってきてしまいます。写真のような姿勢で押し車を押しているのを女性の高齢者でよくみられます。
 こういう状態を改善するためには、背すじを伸ばす事よりも腰を上手く曲げる事を意識して骨盤転がしをしてもらう方が良いのです。

 反対に男性は骨盤が後ろに倒れて腰が曲がっている人の方をよく見かけます。こういう人は背すじを伸ばすイメージで骨盤転がしを行う方が良いのです。

図018

 左右方向の歪みや回旋方向の歪みがあると、左側の腰だけ痛いとか、右の肩コリだけがひどい、などといった左右に偏在する痛みに繋がります。
 そういう症状が出ている方や左右の歪みが気になる方は、是非ここで紹介する各種の骨盤転がしも行ってみてください。

横方向の骨盤転がし1 リーチ

左右方向の歪みのみかた
025 図015
写真のように右の肩が落ちている場合は図と同じ形の骨盤のゆがみがあります。

この場合、次の実技写真と同じように右側の手をあげてこの運動を行ってください。

026 027
右側のお尻に体重を乗せ、天井に向かって右手を伸ばします

ゆっくり5~10回行ってください。


横方向の骨盤転がし2 リーチで左右交互

026 027 028

写真の番号の順番に左右均等に骨盤転がしを行います。

ゆっくり左右とも5~10回行ってください。

左右均等に骨盤転がしを行う事で左右の歪みを改善します。

横方向の骨盤転がし3 左右水平

横方向の骨盤転がし1・2より少し難しくなります。

029写真のように座ります
030右のお尻に体重をかけます。この時に右肩が下がらない様に注意してください。
031左側にも同様に行います

左右の肩が水平の状態で骨盤を左右均等に転がす事で、左右の歪みを改善します。

左右交互に5~10回行います。


横方向の骨盤転がし+回旋1


横方向の骨盤転がし+回旋2

032 図016
写真のように、左右のスネの間の線の延長戦と鼻の中心の位置がずれている場合、骨盤に回旋方向のゆがみがある事を現しています。この写真の場合は図と同様に骨盤が右方向に回旋している事を現しています。

回旋方向の歪みが気になる場合はこの運動を行います。左右均等に同じ感覚でできるよう練習をしてください。

033 034 035 036 037 038

1: 腕を組んで、膝を閉じて座ります
2:右側のお尻に体重をかけます。この時に右肩が下がらない様に注意してください。
3:右側に体をひねります

反対側(左側)にも同様に行います。

左右交互に5~10回繰り返します

※途中で膝が開いたり、踵が浮いたりしてはいけません。

その他:骨盤ころがし応用 呼吸を逆転させて

前後方向の骨盤のゆがみを改善する方法ですが、冒頭で紹介した基本の骨盤ころがしより高度に腹筋・背筋を働かせます。

001 背筋を伸ばして座る
002 鼻から息を吸いながら背骨を丸めて猫背にする
001 口から息を吐きながら背筋を伸ばす

5~10回繰り返します。

息を吸いながら背筋を伸ばすのは簡単ですし、息を吐きながら腰を曲げるのは簡単です。これを反対にして、息を吸いながら腰を曲げて息を吐きながら背筋を伸ばすのはややこしくて難しいのです。

老化がすすむと筋肉衰えて不器用なります。それを予防・改善するための運動です。

骨盤転がし変法

椅子のない和式の生活を送っていて、椅子に腰かけて頻繁に運動ができないという方はこちらの運動を行ってください。ただし、椅子に腰かけて骨盤転がしを行う方が運動としては優れているので、可能な限り椅子に腰かけて骨盤転がしを行ってください。

床座位:骨盤転がし 
039 040

1:背すじをのばしてあぐらで座ります
2:腰を曲げます
3:背筋をのばします

ゆっくり5~10回くりかえします。


床座位:横方向の骨盤転がし1 リーチ片側
041 042 

1:背すじをのばしてあぐらで座ります
2:右のお尻に体重をかけて右手を上にのばします

ゆっくり5~10回行います。


床座位:横方向の骨盤転がし2 左右リーチ

041 042 043

写真の番号の順番に左右均等に骨盤転がしを行います。

ゆっくり左右とも5~10回行ってください。

左右均等に骨盤転がしを行う事で歪みを改善します。


床座位:横方向の骨盤転がし3 左右水平

1・2より少し難しくなります

044 045 046

横方向の骨盤転がし1・2より少し難しくなります。

044写真のように座ります
045右のお尻に体重をかけます。この時に右肩が下がらない様に注意してください。
046左側にも同様に行います

左右の肩が水平の状態で骨盤を左右に転がす事で、左右の歪みを改善します。

左右交互に5~10回行います。

骨盤転がし左右+回転

047 048 049 050 051

1: 腕を組んで、あぐらで座ります
2:右側のお尻に体重をかけます。この時に右肩が下がらない様に注意してください。
3:右側に体をひねります
4:2の姿勢に戻ります
5:中心に戻します
6:側のお尻に体重をかけます
7:左に体をひねります

ゆっくり左右に5~10回行います


第8章 バランス機能

 「老いは足元から訪れる」という言葉がありますが、足腰の筋肉は足の指の筋肉から順番に衰えが始まります。特に膝から下の筋肉が衰えると足でバランスをとれなくなると、上の方にある股関節や腰回りの筋肉を使ってバランスを保つようになります。だから、加齢とともに腰痛や坐骨神経痛の方が増えるのです。

 この章ではバランステストの方法と、その改善方法を紹介します。まずバランステストを行ってみてください。もしバランスが悪いようであれば改善のための運動を行うと良いでしょう。

バランステスト

052 053
このテストはまっすぐ、じっと立っていられるかどうかを見るテストです。倒れなくても写真のように途中でフラフラした場合は不可となります。

① 目をあけて閉脚立ち
054
左右の踵とつま先をピタっと合わせて立ちます。
このまま20秒バランスを保ちます

※何も持たずに歩くには危険があるような高齢者のバランス能力をみる場合は、このレベルからバランステストを行います。


② 目を開けて継ぎ足立ち
055 056 057 058
前の足の踵と後ろの足のつま先をつけて、左右の足を一直線にします。
これで20秒保ちます。
左右の足を入れ替えてまた同様に行います。


③ 目を開けて片脚立ち
059 060
片脚立ちで20秒保ちます。
左右両方行います

④ 目を閉じて閉脚立ち
061
目を閉じて、左右の踵とつま先をピタっと合わせて立ちます。
このまま20秒バランスを保ちます

⑤ 目を閉じて継ぎ足立ち
062 063 064 065
目を閉じて、前の足の踵と後ろの足のつま先をつけて、左右の足を一直線にします。
これで20秒保ちます。
左右の足を入れ替えてまた同様に行います。

⑥ 目を閉じて片脚立ち
066 067
目を閉じて、片脚立ちで20秒保ちます。
左右両方行います

・・・

 バランステストの結果はいかがでしたか? 過去に行われた研究の一例では、目を開けて片脚立ちの70歳代の平均値が31秒だったという結果があります。

 つまり、70歳以下の人であれば最低でも③の目を開けて片脚立ち20秒は最低限クリアできるべきなのです。
 もっと若い30代40代くらいの人であれば、⑥の目を閉じて片脚立ち20秒までクリアできる事が理想です。

 このテストを行ってもらえばすぐに感じると思いますが、目を閉じると急にバランスが崩れやすくなります。人は視力に依存してバランスをとっている部分が大きいのです。

バランス感覚を感じとる場所
・視力(目)
・平衡覚(内耳)
・体性感覚(筋肉など)

上記の通り、人はこの3つの感覚を組み合わせてバランスをとっています。だから、目を閉じて視力を奪われると急にバランスをとりにくくなるのです。

内耳にある平衡覚を簡単に鍛える事はできませんが、体性感覚は筋肉などで感知するものなのでしっかり働かせる事で改善できます。また、使い足りないと自然と衰えてしまいます。

バランス改善運動

背伸びの運動1
068 069 
軽く壁に手をついて立ちます。
片脚で背伸びをして20秒保ちます

反対側も同様に行います
070 071

※あまり壁についた手に体重をかけないように行いましょう
負荷が強すぎれば10秒で行ってください


背伸びの運動2
068 069
軽く壁に手をついて立ちます。
片脚で背伸びをします。
これを20回繰り返します。

反対側も同様に行います。
070 071


※あまり壁についた手に体重をかけないように行いましょう
負荷が強すぎれば10回で行ってください


30分ウォーキング
図019

30分まとめて歩く時間を毎日作ってもらうのが、最も良い足腰の運動となります。バランス改善はもとより、腰痛や高血圧、糖尿病の予防まで全てに効果があります。

ポイントは以下の3点です。

① 歩くためだけの時間を30分かためて作る
毎日仕事や家事で十分歩いているという人もたくさんおられますが、健康のために歩く場合は小分けに歩くのではあまり意味がありません。歩くためだけの時間を固めて30分作るのがポイントなのです。
ですので、買い物に行くときに自転車の代わりに歩いて行くとか、エレベーターを使わずに階段を使うよう心掛けるとか、そういう事ではダメなのです。

② 30分でやめる
たくさん歩けば良いという事ではなく、30分で止めるという事も大事なポイントです。男性に多いのですが、歩くのが健康に良いと言うと休日にだけ1時間とか2時間歩こうとする方がたくさんいます。これは返って体に悪い事です。休日にしか歩く時間を作れない場合でも30分で止める方が健康には良いのです。寝貯め・食い貯めができないのと同様で、歩き貯めもできません。

③ 歩き方を気にしない
歩き方・歩く姿勢・歩く速さなど、何も気にせずもっとも歩きやすい歩き方で歩いてください。女性に多いのですが、歩き方や歩く姿勢を気にする方がたくさんおられます。最も良い歩き方は何も考えず、ただダラダラ歩く時の歩き方なのです。足腰の状態が良くなって自然に歩き方が綺麗になるのは良いのですが、無理に意識して綺麗に歩くとかえって足腰が悪くなります。

ウォーキングは他の運動と比べて一番時間をとり面倒だと思います。でも、これが体に良いのは過去の様々な研究で明らかです。毎日でなくても結構ですので、可能な方は是非30分歩く時間を作って頂ければと思います。


第9章 股関節と腰の深い関係

 一見腰を動かしているように見える動作をよくみてみると、ほとんど腰の骨は動いていない事があります。

072 073
 この図のような前屈の姿勢は一見腰を曲げているように見えますが、実は腰は全く曲げていません。これは股関節を曲げているのです。
074 075
 こちらの写真のような振り向く時のような動作も、一見腰をひねっているように見えますが、実はこれも腰ではなくて大半は股関節をひねっているのです。

 これらの図のように、立って腰の運動を行おうとすると多くの場合、腰よりも股関節が大きく動いてしまい腰の運動になりません。

 もし股関節の柔軟性に問題があると、その分の負担を腰にかけてしまう事になります。だから、股関節の柔軟性の改善は腰痛・坐骨神経痛の方にとっても重要です。

 この章では、腰痛・坐骨神経痛と関連の深い筋肉のストレッチをいくつか紹介します。身体が硬い人はぜひ行ってみてください。


梨状筋ストレッチ

076 077

① 写真の様な形で座ります
② 立てた膝を胸に引き寄せながら背すじをのばします。ここで20~30秒とめます。

※ストレッチする側のお尻が浮かないよう、しっかり床につけた状態でおこなってください。


大殿筋(浅層)ストレッチ

方法
009 010
写真のように脚を組みます
そのまま体を前に倒します
このまま20~30秒間止めます

※前掲しており重複しますが、股関節のストレッチなので再掲


内転筋ストレッチ
078 079
① 写真のように座ります
② 前屈して20~30秒ストレッチ


腸腰筋ストレッチ

080 081

① 写真のように片膝で立ちます
② 前掲して股関節の前面をのばします。20~30秒止めます。

第10章 腰に良い事・悪い事

筋トレは腰に良いのか

 一般的に足腰を悪くすると女性はストレッチをして治そうとし、男性は筋トレをして治そうとする傾向があります。腰痛・坐骨神経痛の改善に筋トレが必要な事は少ないので筋トレを行う必要はありません。むしろ腹筋や背筋を鍛えるための運動でかえって悪化する事も多いので行わない方が良いでしょう。

 私は現在、腰痛・坐骨神経痛の専門院を運営しておりますが、男性ではジムで体を鍛えているという人が多く来られます。腰に悪いからトレーニングはやめてくださいと言ってもなかなか止められない人がたくさんおられます。

 トレーニング依存症状態になっていて、トレーニングをしないと不安なのです。


ストレッチは腰に良いのか

 女性が好んで行うのが前屈と開脚のストレッチです。なぜか女性はこのストレッチだけを特に好んで行う傾向があります。
 しかし、このストレッチは腰に強い負担をかけるため腰が悪い人が行うべきではありません。
 前屈はハムストリングスという筋肉のストレッチであり、開脚は大内転筋という筋肉のストレッチです。これらの筋肉の特徴はどちらも筋肉が長いという点です。
 下肢の長い筋肉のストレッチを行う際に、膝を伸ばして腰を曲げるとテコの原理で腰に負荷が強くかかります。腰がテコの支点になるからです。
 そして、これがきっかけで腰を悪くする人もたくさんおられるのです。
 

 また、特定の部分だけ身体が柔らかすぎるのも問題です。足腰を痛めにくくするどころか、かえって柔らかすぎて足腰を痛める原因にもなってしまうのです。
 スポーツを行ううえで高いパフォーマンスを上げたり、怪我をしないようにするためには通常よりも高い柔軟性が必要になります。例えば相撲のまた割はその代表ですし、股関節の前屈や開脚の柔軟性が高くないと空手の上段蹴りなどはできません。ダンスなどをする時にも柔軟性は大切でしょう。
 しかし、普通の生活をするだけであれば過剰な柔軟性はむしろ足腰を痛める原因にもなりかねません。

 現在、あまり腰が良くないけどハムストリングスや大内転筋のストレッチを行いたい方は以下のような方法でストレッチしてください。

ハムストリングスストレッチ
追加100 101

写真のように、タオルに脚をかけて膝を伸ばします。
ここで20秒ストレッチします。


大内転筋ストレッチ
追加102

写真のように片脚を開いてしゃがみます。
この姿勢で20秒ストレッチします。

・・・

 当院に来られる女性には「先生、私身体は柔らかいんです!」と前屈をして手のひらを床につけて見せるような方もたくさんおられます。身体が柔らかいのが自慢なのかもしれません。

 そのような方に脚を組んで前屈をしてみてもらうと普通くらいの柔軟性しかなかったり、むしろ普通よりも硬いような人がたくさんおられます。
 普段自分でストレッチをしている場所だけが極端に柔らかくて、それ以外の所は普通かそれ以下だと、体全体の柔軟性のバランスが崩れてしまい体を悪くしかねないのです。

 前章でも紹介したとおり、特に股関節の柔軟性に関係する筋肉のストレッチは腰痛・坐骨神経痛の改善に有効です。しかし、それは適切な方法で行われないといけません。
 前章で紹介したストレッチはどれも膝を曲げた状態で行うものばかりです。膝を曲げて行えば腰にさほど負担がかかりません。

その他

ヨガは腰に良いのか
 悪いです。腰の悪い人は避けた方が無難です。

スポーツは腰に良いのか
 本気で行うとどれも腰に悪いです。ゴルフは特に腰を悪くします。身体に良いのはせいぜい30分程度のウォーキング程度までです。

安静にしている方が良いのか
 過度の安静はかえって腰に悪いです。基本の骨盤転がしと、前章で紹介した軽いストレッチとウォーキング程度の運動を行う方が良いでしょう。

ウォーキングは腰に良いのか
 30分程度までならとても良いです。反対に体に良いのは30分程度までです。たまに時間のある時だけ1時間歩いたりするのはかえって良くありません。一日の歩数の理想は5000歩から7000歩の間です。歩き過ぎても体には悪いのです。


サプリメントを飲んだ方が良いのか
 普通の食事がとれるならサプリメントは必要ありません。誤解してはいけない事ですが、サプリメントは薬ではなく「健康補助食品」です。ちゃんとサプリメントのパッケージに小さく記載してあるはずです。

何を食べたら良いのか
 バランス良く食べるのが一番ですが、女性は特に肉類が不足している人が多いので意識して採ると良いでしょう。健康に気を付けているつもりで野菜と豆腐ばかり食べているような女性をたまにみかけます。

温めるほうが良いのか
 温めるほうが良いです。痛みは温めると軽減し冷えると増悪します。

正しい入浴法はあるのか
 苦痛でなければ長めに20~30分程度入浴すると良いでしょう。長時間入浴してものぼせないよう温度は39度くらい、全身浸からず半身浴くらいにすると良いでしょう。
 もし浴槽に座っている事自体が苦痛であれば無理に入浴する必要はありません。シャワーだけで結構です。

正しい寝方はあるのか
 右向き・左向き・上向きなど寝方をきにする方も多くおられるのですが、安眠できる事が一番大切なので、寝方まで気にする必要はありません。同じ方向だけ向いて寝ていても支障はありません。寝やすい姿勢が最も良い寝方です。
 反対に睡眠がとれないと自律神経の関係で痛みは何をやっても良くなりません。不眠の方は安定剤や睡眠薬を飲んででも寝た方が良いです。

腰に良い寝具はあるのか
 あります。理論上は硬すぎず柔らかすぎないものが良いです。腰痛に良いとされるマットレスなどもたくさん売っています。それらは理論上どれも体に良いはずです。(特定の商品を勧めるものではありません)
 ただし、人間にとって「慣れ」という要素は無視できません。むしろ最も重要です。理論上体に良いモノでも、実際に寝てみて身体に合わないようならやめるべきです。

脚を組むと骨盤がゆがむのか
 左右均等に組めば問題はありません。しかし、大半の人は体のくせの影響でどちらかの脚ばかり組みがちになります。なので脚を組まないようにした方が無難だとも言えます。


痛み止めの薬を飲んだ方が良いのか
 一概には言えませんが、飲まなくても生活に支障がなければ飲まない方がよいでしょう。もし夜に痛くて寝られないようであれば痛み止めを飲んだ方が良いでしょう。飲み薬が効かなければ整形外科で痛み止めの座薬をもらってください。痛みを緩和して寝た方が良いのです。自律神経の関係で、寝られないと痛みはなかなか治りません。

ストレスは痛みに関係あるのか
 あります。精神的なストレスが強くなると自律神経の関係で痛みも強くなります。一般に「緊張すると身体がかたくなる」と言いますが、人は緊張すると自律神経の関係で本当に筋肉が硬くなります。筋肉が硬くなると痛みは強くなります。

タバコは痛みに関係あるのか
 タバコは痛みを強くします。血流を悪くするからです。喫煙は病気そのものの改善も阻害し、悪化を助長します。

第10章 本書の運動を行った人達の感想

1:産後ずっと続いていた腰痛が本当になくなりました。

植田千絵 大阪府東大阪市 38歳 (主婦・パート)

082

 子供を出産したのが今から7年前で、そこから腰痛が始まりました。左の腰が痛くて常に腰が重たい感じで、長く座っていたり立ちっぱなしでいると重ダルくて痛くて、という状態でした。
接骨院に毎週通ってマッサージをしてもらっていましたが、その時気持ち良いだけで腰痛が治るという事はありませんでした。
接骨院では、左側が特に痛いのは骨盤のゆがみが原因ですよ。左右の脚の長さが違いますよ。といわれて骨盤矯正を受けた事もあるのですが、イマイチ効果がわかりませんでした。
 
去年重たい物を床から持ち上げる時に急に腰を痛めてしまい、それまでは鈍痛程度の痛みだったのが急に悪化してしまいました。左足に痺れまで出て来てしまい、整形外科を受診した結果、椎間板ヘルニアになっていると言われてしまいました。
それから週に2回整形外科に通院して腰の牽引と電気治療を受けていましたが、全く良くならず、毎日痛み止めの薬を飲んでいました。特に朝起きてすぐが一番つらくて、着替えるのがとても苦痛でした。

 このままでは絶対に良くならないと思い、ネットで色々検索をしているうちに、長岡先生の整体院をみつけて先生に体をみてもらいました。
 はじめは先生に体を治してもらえるものだと思い込んでいたのですが、先生に「自分で毎日運動しないと治りません」と言われて期待外れに思ったのを覚えています。

 毎日の運動として指導されたのが骨盤転がしです。ストレッチや筋トレのような面倒な運動を想像していたのですが、簡単な運動だったので言われた通りに毎日行ってみました。

 1日に何回か骨盤転がしを行い、先生に言われた通り無理せず安静にしていたら、1か月ほどで強い痛みと痺れがなくなり本当に驚きました。そのままずっと毎日続けていたら、産後何年も続いていた腰の鈍痛もほとんど気にならなくなりました。

 骨盤のゆがみの予防のためにずっと続けたほうが良いとの事なので、痛くなくても今でも毎日この運動をしています。

2:腰を曲げずに歩けるようになりました

上地良子 66歳 大阪府大阪市 専業主婦

083

 ずっと何年も腰痛がありました。痛いような重たいような感じで、日によってそれがキツイ日とマシな日があり、そんな状態が30代くらいの時からずっと続いていました。
 去年くらいから、歩いていると左側の腰からお尻のあたり(太ももの付け根)、太ももあまで痛みが出るようになりました。
 少し立ち止まって腰を曲げるとすぐに楽になってまた歩けるようになるので、はじめはさほど深刻には考えていなかったのですが、今年に入ってからは5分ほど歩いただけで立ち止まって腰を曲げないと歩けない状態になってしまいました。
 整形外科を受診してMRI検査を受けた結果、脊柱管狭窄症という病名を言われました。治す方法は手術しかないけど、まだ手術するほどではないので様子を診ましょうといわれ薬をだされて、投薬治療と腰の牽引と電気治療を2か月ほど受けましたが全く良くならないし、このまま同じ事を続けても良くなる気がしなかったので、脊柱管狭窄症の治し方を色々調べているうちに長岡先生の所にたどり着きました。

 まず、立ち止まって腰を曲げずに何分歩けるかを測ってくださいと先生に言われたので、一日一回、1週間毎日同じ場所を同じ時間に歩いて歩き続けられる時間を計測しました。はじめの一週目は5分から10分の間でした。
 そこから骨盤転がしの指導をうけ、毎日この運動を続けながら同じ様に毎日立ち止まらずに何分歩けるかを計測してノートにつけていきました。
 二週目は10~15分くらい、3週目は15~20分くらい、4週目は15~30分くらい、という感じで目に見えて休まずに歩ける距離が伸びていきました。
 同じ事を繰り返し続けて、8週目には30分続けて歩いても痛くない状態になりました。はじめの頃は歩ける距離が伸びても痛みの感じ方は変わらず、あまり良くなっている気がしなかったのですが、この頃にはもう日常生活で立っていたり歩いたりしても痛みを感じる事がなくなっていました。
 以前はスーパーで買い物をしていてもカートを押しながらでないと辛かったのですが、普通に歩けるようになって本当に良かったです。


3:猫背が原因で腰痛だと思っていたら、背筋を伸ばし過ぎて腰を悪くしていると言われて驚きました。

植田京子 62歳 大阪府大阪市 専業主婦

 元々腰がずっと重たい感じはあったのですが、半年前くらいからひどい腰痛になりました。特に朝起きてすぐが一番つらいという状態がずっと続いていました。病院では腰椎のすべり症だと病名を言われていました。
 立ったり歩いたりできないくらいまで悪化したら、骨のズレを矯正して金具で固定する手術が必要になるが、まだその段階ではないので様子をみるしかないと医師には言われていました。
 腰の手術をしても良くならなかった知人がいる事もあり手術は避けたかったので、なんとか手術以外の方法で腰を治す方法を探しているうちにこちらの先生の事を知り、みてもらいました。

 私はずっと猫背で姿勢が悪いと思っていて、それが原因で腰が悪くなってしまったものだと思い込んでいたのですが、先生から「背筋を伸ばし過ぎてすべり症になっています」と言われて、にわかには信じられませんでした。でも、確かに反り腰になっている事は自分でも自覚していました。反り腰が悪化すると腰椎のすべり症になるという事を先生に言われてはじめて知りました。
 骨盤転がしの指導を受けた時に、「これは背筋を伸ばす運動ではなくて、腰を曲げる練習だと思って行ってください」と言われました。

 ずっとヨガをやっていて柔軟性には自信があったのですが、骨盤転がしで腰の骨を曲げてみると思った以上に腰が曲がりにくくなっていました。
 前屈や開脚は簡単にできるのですが、かえって柔らかい所と硬い所の差が大きくなってしまい、そのせいで背骨に負担をかけてしまっていると先生に言われました。

 簡単で単純な運動なので、こんな事で良くなるように思えなかったのですが、1か月ほど続けていたら朝の強い痛みがなくなりました。

 良い姿勢や綺麗な歩き方を意識しすぎるとかえって腰に負担をかけるそうなので、今後も骨盤転がしを行って骨盤のゆがみをリセットしたいと思います。

4:脊柱管狭窄症が治りました。

佐藤英二 55歳 大阪府門真市 トラック運転手

 仕事が長距離トラックの運転手で座っている時間が長いせいか30代の頃からずっと腰痛があり、椎間板ヘルニアだといわれていました。
 ひどい時は車から降りてすぐに歩けないような日もあったのですが、だましだまし50代まで仕事を続けてきました。
 去年くらいから腰だけでなくお尻から右足にかけて痛みと痺れが出て来て歩くのに支障がでるようになってきました。
 
 手術は嫌だったのでネットで検索して良い方法がないかを探しているうちに長岡先生の治療院のホームページをみつけて先生の所に来ました。
 骨盤転がしの指導をうけて、休まずにどれだけ歩けるかを毎日測ってみるように言われました。
 はじめは15分くらい歩くと限界でそこでしゃがみ込んでしまうような状態でしたが、骨盤転がしを毎日続けているうちに痛みが30分歩いても痛みがでなくなるようになりました。
 30分歩いても痛くなくなれば日常生活で痛みを感じる事はなくなると言われていましたが、実際に30分休まず歩ける所まで改善したら仕事に支障がでるような事はなくなりました。多分もう2時間でも歩き続けられると思います。

 車の運転をしている時に信号待ちの時なんかでもできる程度の運動なので、継続するのが簡単で助かっています。

 簡単だし面倒な運動ではありませんが、忘れずに行う事が一番大切だと思います。
 


5:椎間板ヘルニアの坐骨神経痛が治りました。

江藤美鈴 35歳 大阪府八尾市 会社員:事務職

 朝起きたら急に腰から足まで痛みと痺れが出始めて、急いで整形外科に行ったら椎間板ヘルニアという病名を言われました。
 痛み止めの薬をもらって飲んでいたのですが、良くならないのでブロック注射を打ってもらいました。注射をした日は痛みはマシでしたが、翌朝起きたらまた元に戻ってしまっていました。
 痛みの出方は、朝起きてすぐが一番つらくて着替えて靴下を履く時の痛みがとても辛かったです。歯を磨く時にちょっと腰を曲げるのも辛い状態でした。
 朝起きてからしばらく時間が経って体がほぐれてくると痛みはかなり楽にはなるのですが、それでも椅子から立ち上がる時とか歩き始め、階段を降りる時にはビリっといたみがでるような状態でした。
 長い時間ずっと同じ姿勢で座っていると痛みと痺れがひどくなるような状態で、座っているよりは立っているほうがマシで、じっとしているよりは動いているほうがマシでした。

 2か月以上経っても治らないし、整形外科では痛み止めの薬をだされるだけでどうしたら治るのかわからない状態の時に知人に紹介されて長岡先生の治療院を紹介されました。

 まず、腰を曲げたり低い所に座ると椎間板の傷口が開いてしまうので、日常生活でできるだけ腰を曲げたり低い所に座らないように気を付けるよう指導されました。
ただし、腰を曲げないようにしていると背骨や筋肉が固まって曲がらなくなってしまうのでこの運動を行うように、という事でこの骨盤転がしを教えてもらいました。

 指導された通り、日常生活で腰を曲げたり低い所に座ったりしないように気を付けて、毎日この骨盤転がしをしていたら、1か月くらいで強い痛みはなくなりました。
 それでもまだ軽い痺れを痛みは残っていましたが、3か月くらいで完全に痛みや痺れはなくなりました。

 この骨盤転がしにはウエストを引き締める効果もあるそうなので、今後も運動として続けようと思います。

6:筋肉を鍛えるなと言われて驚きました。

木田亮 40歳 奈良県生駒市 会社員

 ゴルフをしている時に右側の足腰に異変を感じました。帰宅してから右側の腰からお尻の辺り、そこから下に太もも・ふくらはぎまで痛みがでてきました。
 翌朝とても痛みが強かったので整形外科で診てもらったら坐骨神経痛だと言われました。朝起きてすぐがとにかく痛くて、日中はマシでした。

 足腰の筋肉を鍛えて治そうとスクワットなどの筋トレを行っていたのですが全く良くなりませんでした。ずっと治らないので大きな病院でMRIを撮って調べたら椎間板ヘルニアだと判明しました。

 腰が悪いという事なので頑張って腹筋と背筋の筋トレを行ったのですが全く良くならず、手術をするしかないかと思っていたのですが、医師は手術をするほどではないと言い、痛み止めの薬を出されるだけでどうしたら良いのかわからない状態でした。

 知人の紹介で長岡先生にみてもらう事になり、とりあえず筋トレを止めるように言われました。足腰を鍛えたら治ると思っていたので意外だったのですが、先生から「どう見ても筋力は十分にあります」と言われて納得してしまいました。確かに筋力には自信があるほうだったのです。

 先生から簡単なストレッチとこの骨盤転がしを指導されて、これ以上の運動は行わずに間違ってもジムに行って体を鍛えたりしないようにと指導されました。

 骨盤転がしはどこに効いているのかもわからない程度の軽い運動なので、良くなるのかどうか半信半疑だったのですが、筋トレをやめてこの運動をはじめてから明らかに朝起きた時の痛みがマシになっていくのを感じました。

 はじめて会った時に先生から、「普通の人は皆あなたより筋力が弱いです。あなたは筋肉が強くて硬いから痛いのです」と言われて、目から鱗が落ちました。

 骨盤転がしで腰の周りの筋肉が柔らかくなり、ちゃんと足腰の痛みは治りました。

7:MRIを撮っても異常なしと言われた原因不明の坐骨神経痛でした

山下智子 44歳 大阪府東大阪市 飲食店勤務

 左側の太ももの付け根からふくらはぎまで痛みがあり、足がずっと痺れていました。立ち仕事なのですが、長時間立っていると痛みが強くなるので仕事がとてもつらかったです。
 歩いたり動いたりしているほうがマシで、じっと立っているのが一番つらかったです。仕事以外にも、家で立って台所仕事をしているのがとても辛かったです。
 基本的に座っている方が楽でしたが、それでも長い時間ずっと同じ姿勢で座っていると痛みが出てきました。

 病院でMRIを撮っても異常なしといわれ、坐骨神経痛ですねと言われて痛み止めの薬を出されて様子をみましょうと言われました。
 全然よくならないので薬の種類を変えたり量を増やしたりして、とりあえず薬が効いている間はある程度マシに過ごせるようになったのですが、薬の効果が切れたら元通りの状態になってしまいました。

 ずっと薬を飲み続けるのが嫌だったので坐骨神経痛を治す方法がないか調べているうちに長岡先生の事を知り、体をみてもらいました。
 MRI検査で背骨に異常はないので背骨には問題はなく、骨盤の筋肉が原因の坐骨神経痛だという事で、骨盤転がしと簡単なストレッチを行うよう指導されました。

 骨盤転がしの運動をする時にはじめは少し痛みがあったのですが、何度か行ううちに痛みが出る事もなくなりました。

 長く立っていると辛かったのが、徐々に立っていても辛くない時間がのびていきました。現在はこの病気になる以前と同じくらいまで回復しました。
 健康体操だと思ってずっと続けると良いと言われておりますのでこれからも継続しようと思います。


8:介護の仕事で悪くした腰が治りました。薬を飲まなくても良くなり妊娠が怖くなくなりました。

幸田真美 27歳 大阪府大阪市 介護士

 介護の仕事をしていたので職業柄ずっと腰痛を抱えて仕事をしている状態でした。コルセットを撒いていたら仕事は出来ていて、多少腰が痛いのは介護の仕事だから仕方がないと諦めていました。それでも痛みが強い日もあり、そんな日はロキソニンを飲んでいました。

以前レントゲンを撮った時に腰椎分離すべり症になっていると言われていました。もし進行して歩けなくなったら将来手術が必要になるかもしれないけど、今はまだそういう事を考える段階ではないので、あまり無理をしないように言われていました。

 ちょうど結婚を控えている時期で、今はなんとか痛みを我慢できていても将来の出産や育児の事などを考えると不安になり、本気で腰の状態を治すためにネットで色々調べているうちに長岡先生の整体院にたどりつき、そこで骨盤転がしを教えてもらいました。

 簡単な運動なのでどこでもできるので、毎日座れる時に忘れずにこの運動を行うように心掛けて生活をするようにしてみました。
 この運動をはじめてから1か月くらいで仕事をしていても辛いから薬を飲もうと思うような事はなくなっていました。

「腰椎の分離は仕事で引き起こされたものではなく思春期にスポーツを本気で行った事がおそらく原因で、腰椎の分離があるのに介護の仕事を続ける事は体に合っていない」

 先生にそのように言われたので、腰痛はかなり良くなっていましたが思い切って介護の仕事も辞めました。

 その後、骨盤転がしをずっと続けた事もあり腰痛そのものが完全になくなりました。

 もし将来妊娠したら、胎児への影響で痛み止めの薬も飲めなくなるのでどうしようかと不安に思いながら生活していましたが、本当に救われました。

 産後の腰痛の予防にも良いという事なので、今でも思い出した時に骨盤転がしを行っています。


9:椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の患者さんがどんどん良くなっていきます。

真山崇 41歳 宮城県富谷市 まやま整骨院院長

084

 宮城県で腰痛専門整骨院の院長をしております。当院は腰痛の専門院なので当然ながら毎日たくさんの腰痛患者さんが訪れます。
 私は専門家として腰痛治療に関する勉強会には昔から積極的に参加しておりますが、その一環で5年前に長岡先生が開かれた勉強会に参加して、この骨盤転がしを習いました。

 当時の私は、坐骨神経痛を伴う腰痛患者の治療方法に悩んでおりました。坐骨神経痛を発症している方は、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの重篤な疾患の方が多いためです。はじめはそのような方に対してこの骨盤転がしを指導して行ってもらう事にしました。

 簡単な運動なのにとても効果が良好なので、骨盤のゆがみから腰痛を引き起こされている人達に対して積極的にこの骨盤転がしを指導したところ、これもやはりとても有効で腰痛の改善のために必要な期間が大幅に短縮し改善率も向上しました。

 当院には椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの重度の腰椎疾患の方が多く来られます。腰痛だけではなく坐骨神経痛を併発している方もたくさんいます。そのいずれに対しても骨盤転がしはよく効きます。単純な運動なのですが、とても理にかなった運動だからです。

 ある程度までの症状であれば、この運動だけで十分良くなると思います。治療院を訪れる前に、一度この運動を試してみる事をおすすめします。


10:腰痛・坐骨神経痛の方のセルフケアに最適です

青山勇一郎 47歳 神奈川県横浜市 神奈川反町接骨院院長
085

 今から約4年前に長岡先生が講師をされた腰痛・坐骨神経痛改善のための勉強会で、様々な治療手技と一緒にこの骨盤転がしを教えて頂きました。
 もともとは「座位での体幹筋のファシリテーション」という運動療法の一つだったものなのですが、今回一般向けの書籍で紹介するにあたり「骨盤ころがし」というわかりやすい名前にして世間に紹介されると伺い、とても良い事だと思いました。

 私もこの骨盤転がしを教えて頂いて以来、多くの腰痛や坐骨神経痛の患者さんに自宅で行うセルフケアの方法として指導させて頂いており、その効果を実感しています。

 何より嬉しいのは、とても簡単な運動なので患者さんが実際に運動を行ってくれる事です。以前は一般的なストレッチなどを行うよう指導していたのですが、なかなか患者さんが十分な回数を行ってくれないので困っていました。

 以前、長岡先生から「患者さんが実際に続けられる運動は1つか2つ程度。それも椅子に座ってできるものだけ」と伺っていましたが、全くその通りなのです。

 書籍やテレビなどでも、腰痛改善に効果のある運動はよく目にします。それらは確かに継続して行えばどれも効果があるのかもしれません。しかし、そもそも継続できなければ意味がないのです。
 その点、この骨盤転がしは継続しやすいという点で他の方法よりダントツに優れています。

 私は治療家として多くの腰痛・坐骨神経痛患者の人達にこの運動を指導してきたので、その改善率の高さと有効性をよく知っています。

 色々なストレッチや運動を行おうとして、どれも続かなければ何の意味もありません。もし、腰痛や坐骨神経痛で悩んでいるのであれば、まずこの骨盤転がしを1か月続けてみる事をおすすめします。

 簡単な運動なので頑張って行う必要はありませんが、簡単すぎるので「忘れずに」行うようにだけ気を付けてください。

あとがき

 足腰の痛みを改善するために有効な方法はたくさんあります。しかし、どれも即座に改善されるというものではなく、ある程度継続して行わなければ絶対に効果は現れません。

 そして、大半の人はその運動を続ける事ができません。だから、まず冒頭で紹介した基本の骨盤転がしだけで良いので毎日忘れずに行って欲しいのです。

 骨盤転がしは「動的ストレッチ」というストレッチの一種です。1日1回10種類のストレッチを行うより、1つでよいので1日10回同じストレッチを行う方がよほど効果があります。

 だからこの基本の骨盤ころがしだけでも、忘れずにちょくちょく頻回に行ってもらうのが理想です。

 もし、もう少し運動を増やせるという方があれば、その次にお尻の筋肉のストレッチを合わせて行ってみてください。そして、可能なら1日30分のウォーキングまで行えるとさらに効果的です。

図020

 反対に、足腰が悪いのに過剰な負荷をかけて筋トレやストレッチを行うとかえって身体を壊してしまうので気を付けてください。

 本書では基本の骨盤転がし以外にもいくつかの運動方法を紹介しました。運動を追加できる方は自分の中で優先順位をつけて、行ってみてください。

 本書が皆さまの健康に少しでもお役に立てば幸いです。

 2019年 長岡隆志

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その際に、あなたの疑問に感じている事や不安に思う事がありましたら遠慮なくお伝えください。

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 【住 所】 〒577-0022 大阪府東大阪市荒本新町3-4-303
 【電話番号】 072-968-7559
 【営業時間】 8:00~20:00
 【定休日】 不定休
 【最寄駅】 近鉄けいはんな線(地下鉄中央線)荒本駅から徒歩3分
 【駐車場】 最寄りのコインパーキングをご利用ください

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東大阪市 腰痛専門整体
「TN整体院」


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