坐骨神経痛の治し方 - 大阪「TN整体院」

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坐骨神経痛の治し方

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はじめに

 この本は長期間腰痛が続いている人の状態を改善するための本です。実用書なので実際に効果がなければ意味がありません。

 まず効果を理解して頂くために、はじめにこのストレッチを行ってみてください。

1:前屈して手がどこまで届くか確認する
2:しゃがんで手のひらを床につける
3:手のひらを床につけたまま膝をのばす。ここで20秒止めてストレッチ
4:前屈して指がどこまで届くかを確認する

図001
001z.jpg

※1の前屈した時点で痛みが強く出る場合は無理に行わないでください。

いかがでしょう。前屈の柔軟性が少し上がった人が多いのではないでしょうか? 筋肉の柔軟性と腰痛は深く関わりがあるのですが、正しくストレッチを行えば20秒でも柔軟性は上がるのです。
 
 本書はこのような具体的な腰痛改善の方法を紹介するものです。

 現在、腰痛を治す薬は存在しません。そのため整形外科など医療機関では痛み止めの薬を処方されます。しかし、長期間痛み止めの薬を飲み続ける事はあまり体に良い事ではありません。

 ですので、本書で紹介する方法で身体づくりを行って腰痛を改善して頂ければ幸いに思います。

 一口に腰痛といってもその原因は多岐にわたるため、本書の前半では腰痛の原因として多いものを順番に挙げて紹介し、後半ではストレッチ等の実技を紹介して参ります。

 なお、本書が対象とする腰痛は慢性腰痛であり急性腰痛(ギックリ腰)は対象ではありませんのでご注意ください。


第1章 腰痛の分類

 腰痛とは文字通り「腰が痛い」という意味です。腰痛という名前自体は病名ではありません。腰痛というのは症状の名前です。
 例えば、腰が痛くて整形外科に行くとレントゲンやMRIを撮って原因である病名を言われます。
 例えば、椎間板ヘルニアとか脊柱管狭窄症などです。これが原因を言い表したものであり、病名です。

 腰痛を改善するにはこの腰痛の原因に対して行う内容が若干変わって参りますので、はじめにこの腰痛の原因について整理しておきます。


1:筋肉が原因の腰痛(筋筋膜性腰痛)
 筋肉が原因の腰痛です。レントゲンやMRIをとっても特に何も問題がなく、整形外科に行っても特に病名を言われない場合は大半がこの筋肉が原因の腰痛です。正確には筋筋膜性腰痛と言います。
 背中の筋肉(背筋)が凝り固まった状態のことです。
図002 背筋
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筋肉が凝っていると書くと響きが軽い感じがしますが、筋肉が凝って硬くなると場合によっては周囲の関節や靭帯などにも負担をかけ、寝返り・立ち上がりなどの動作時にかなり強い痛みが生じる事もあります。

長期間続く腰痛で最も多いのがこの筋肉が原因の腰痛です。


「痛み方の特徴」

・朝が一番痛みがつらい
・起きてから少し時間が経つと多少マシになる
・中腰の姿勢や腰をかがめると辛い
・ひどいと寝返りもつらい
・長い時間同じ姿勢でいると立っていても座っていても辛い
・強い痛みがない時も常に重ダルい

※すべてが当てはまるわけではありません


2:椎間板ヘルニア
 背骨の骨と骨の間にある椎間板の中身が後ろに飛び出して神経を圧迫している状態です。
図003 椎間板ヘルニア
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 椎間板ヘルニアはレントゲンには写りません。MRIを撮ると図のように映ります。
図004 椎間板ヘルニアMRI
http://www.tnseitai.com/page/592x599x004z.png.pagespeed.ic.7dXpjNs6MY.webp


 椎間板ヘルニア自体はMRIをとらないとわからないのですが、ベテランの医師の中にはレントゲン写真と症状からMRIを撮らずに椎間板ヘルニアと診断する人もいます。

 椎間板ヘルニアの痛みの出方は筋筋膜性疼痛によく似ているのですが、痛みの強さが強烈です。


「痛み方の特徴」

朝一番が辛い
朝、靴下をはいたり着替えたりがとてもつらい
立ち上がり・座り込みが辛い
座っているより立っている方がマシ
じっとしているより歩いている方がマシ

※すべてが当てはまるわけではありません


3脊柱管狭窄症(変形性腰椎症・すべり症)
 老化により背骨が変形している状態です。骨や椎間板・靭帯が変形したり上の骨と下の骨がズレたり、骨と骨の間が狭くなるなど人によって変形の仕方は多様です。
図005狭窄症イラスト
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 背骨の変形がさほど大きくない場合は変形性腰椎症と診断されたり、骨のズレだけが目立つ場合はすべり症(腰椎変性すべり症)などと診断される事もあります。
 レントゲン写真を撮った時点で変形性腰椎症やすべり症と診断された場合でも、改めてMRIを撮ったら脊柱管狭窄症という名前に病名が変わる事もあります。
図006狭窄症MRI
http://www.tnseitai.com/page/684x724x006z.png.pagespeed.ic.WC_5jcuKo-.webp

 本来はMRIを撮って確定診断とされますが、レントゲン写真を撮っただけでも骨と骨の隙間が明らかに狭くなっているような場合は脊柱管狭窄症と診断される事もよくあります。


「痛み方の特徴」

立っているのが辛い
座っていると楽
歩くとすぐ休みたくなる
少し休むとすぐ痛くなくなる
朝より夕方の方が辛い
腰を反ると痛い

※すべてが当てはまるわけではありません


まとめ

 この本の読者の中には実際に整形外科で椎間板ヘルニアとか脊柱管狭窄症(変形性腰椎症・すべり症)と診断された事のある方もおられるかもしれません。
 特にそのような人達によく見て頂きたいのは、それぞれの病気の「痛み方の特徴」の部分です。

 医療機関で診断されたあなたの病名と痛みの出方の特徴と一致していますか?

 もし、これが全く一致しない場合は次の第2章を一度よく読んでみてください。

第2章 本当にその病名が痛みの原因?

椎間板ヘルニアの痛みの特徴

朝一番が辛い
朝、靴下をはいたり着替えたりがとてもつらい
立ち上がり・座り込みが辛い
座っているより立っている方がマシ
じっとしているより歩いている方がマシ

※すべてが当てはまるわけではありません


脊柱管狭窄症(変形性腰椎症・すべり症)の痛みの特徴

立っているのが辛い
座っていると楽
歩くとすぐ休みたくなる
少し休むとすぐ痛くなくなる
朝より夕方の方が辛い
腰を反ると痛い

※すべてが当てはまるわけではありません


 もし、自分は椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症と診断されたのに、上記のような特徴が全く当てはまらない場合、その病名はあなたの痛みの本当の原因ではないかもしれません。

 前章でも紹介しましたが、もう一度椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症のMRI画像の例を見てみましょう。

図004 椎間板ヘルニアMRI
図006狭窄症MRI

 椎間板ヘルニアの研究で、健康な人(足腰の痛みがない人)のMRIを撮った結果、76%の人に図004のような椎間板ヘルニアの画像が確認されたという報告があります。※1
 他の椎間板ヘルニアの研究でも、健康な人(足腰の痛みがない人)のMRIを撮ると60歳未満の20%、60歳以上の36%に椎間板ヘルニアが確認されたという報告があります。※2
 研究報告ごとに割合の差はありますが、平均すると足腰に痛みのない人の約半数に図004のような椎間板ヘルニアが存在するという事が判明しています。これを無症候性の椎間板ヘルニアと言います。

 
 脊柱管狭窄症においても過去に行われた大規模調査の結果、平均年齢66.3歳のグループでMRIをとったところ76.5%の人に中等度以上の脊柱管の狭窄がみつかったというデータがあります。ただし、足腰の痛みや痺れなどの自覚症状があったのは約15%だけだったのです。※3

つまり、MRIをとって図006のような脊柱管狭窄の画像が映っていても9割近い人はどこも痛くなかったという事です。(無症候性の脊柱管狭窄)

 このように、椎間板ヘルニアも脊柱管狭窄症も症状が現れない無症候性の割合がかなり高いのです。

 ここで大切なのは、無症候性の椎間板ヘルニアや無症候性の脊柱管狭窄がかなり多いという事は、MRIをとって椎間板ヘルニアや脊柱管の狭窄がみつかったとしても、必ずしもそれがあなたの痛みの原因であるかどうか疑わしいという事なのです。

多くの医師はもちろんそれを知っているので、MRIで椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症がみつかっても、全く歩けない程ひどい状態でなければ、痛み止めの薬を出して「様子をみましょう」というだけで、「早く手術しましょう」とは言わないのです。
 
 手術をしても良くならない人の割合が結構高いという事を医師はちゃんと知っているからです。ちなみに椎間板ヘルニアも脊柱管狭窄症も手術での改善率は大体70%くらいです。※4


 椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症のような病名がついていても、この章の冒頭で挙げたような典型的なその病気の特徴が全くでていない場合、痛みの原因は病名とは別である可能性も高いのです。

 その最たるものが、前章の最初に紹介した「筋肉が痛みの腰痛(筋筋膜性疼痛)」です。

 椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の場合、腰痛だけではなく多くの場合坐骨神経痛が併発します。坐骨神経痛というのは図007のような太ももの付け根から足まで痛みや痺れが現れる症状の事です。

図007坐骨神経痛

 この坐骨神経痛が併発している場合、病名の通り椎間板のヘルニアや脊柱管の狭窄が本当にあなたの痛みの原因である可能性が高い事を意味します。
 反対に腰痛だけで坐骨神経痛が出ていない場合は、筋肉が原因の痛みが主なものである可能性が高いのです。

 ややこしいのは、本当に椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症が痛みの原因であっても、筋肉が原因の痛みも合わせて出ている事もとても多いのです。次章ではそのメカニズムを紹介して参ります。

まとめ
・MRIをとると足腰に痛みのない人にも椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄がみつかる事が多い
・だから、MRIに写っている画像が本当の痛みの原因かどうかはわからない
・腰痛だけで坐骨神経痛がない場合は筋肉が原因の痛みである可能性が高い
・椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症と筋肉が原因の痛みが合わせて両方出ている事も多い。


※1 Boos N. et al: Spine,1995
※2 腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン
※3 Prevalence of symptomatic lumbar spinal stenosis and its association with physical performance in a population-based cohort in Japan: the Wakayama Spine Study.
Ishimoto Y, Yoshimura N, et al.
Osteoarthritis Cartilage. 2012
※4 椎間板ヘルニア診療ガイドライン 脊柱管狭窄症診療ガイドライン2011

第3章 なぜ腰痛になるのか

 腰痛の原因として最も多いものは筋肉が原因の腰痛(筋筋膜性腰痛)です。図002にある、背骨の横にある筋肉の腰の部分が凝って硬くなる事で痛みが生まれます。
 
 硬くなった筋肉が腰の周りの靭帯などの組織を引っぱったり、背骨の関節のかみ合わせを悪くしてしまい、寝返り・立ち上がりなどの動作時に強い痛みを引き起こす事もよくあります。


 図002の筋肉に慢性的に負担をかけ続ける事で、この筋肉が原因の腰痛がうまれるのですが、なぜこの筋肉は凝り固まってしまうのでしょうか? 

 図008腹式呼吸

 それを理解するために、まず一つ運動を行ってもらう必要があります。図008のように腹式呼吸を行ってみてください。お腹を凹ませながら口から息を吐くだけです。

 この時にお腹を凹ませる働きをする筋肉が腹筋(腹横筋)です。この腹筋が衰えると体の反対側にある背筋に負担がかかってしまうのです。

 相対的に、腹筋は背筋よりも衰えやすいのです。大事なのはこの場合の腹筋は図009のような一般的な腹筋運動で鍛える腹筋ではありません。
これは腹直筋という別の腹筋のトレーニング方法です。この運動は腰が悪い人が行うと余計に悪化する事もあるので避けた方が良いので覚えておいてください。

図009腹筋運動

 腰痛と関わりが深いのは腹直筋ではなくて腹横筋という別の腹筋なのです。

図010

 図010を見てください。ちゃんと腹筋が働く場合、図の左側のように腹筋と背筋で前後から背骨を支えてくれます。
 しかし、腹筋が衰えて働きが悪くなると背中側の背筋だけで体を支えなければなりません。そのため背筋が頑張り過ぎてしまい、常に筋肉が凝り固まった状態になってしまうのです。

 図の右側のような状態になると、内臓の部分で体を支えられないため下図の三角のテコの支点の先端部分に負担が集中する事になります。

 実際にはここは背骨なので、背骨に負担が集中する事になります。

 このような状態の時に不意に何かの拍子に強い負担がかかると骨と骨の間にある椎間板が破れて中身が後ろに飛び出してしまいます。これが椎間板ヘルニアです。

 また、急に強い負担がかかるのではなく、図の右側のような状態が何年・何十年も続くとこの部分で徐々に背骨がずれてきたり、骨が変形したり椎間板が薄くなって骨と骨の間隔が狭くなったりしてきます。これが脊柱管狭窄症です。(骨のズレだけだとすべり症・骨の変形だけだと変形性腰椎症)

 このように、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症になる人は元々筋肉が原因の腰痛を持っていた人が多いのです。

 そして、前章で紹介したようにMRIを撮って椎間板ヘルニアや脊柱管の狭窄が見つかっても、本当はまだ筋肉が原因の痛みしか出ていないかもしれないのです。

 本当に椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症で痛みが出ている場合でも、元々の筋肉由来の痛みがなくなる理由はないため、それぞれの病気にこの筋肉が原因の痛みが合わせて両方でている人がたくさんいるのです。


腰痛になりやすい人①座っている時間が長くてあまり歩かない人

 先ほどお腹を凹ませながら腹式呼吸をして頂きましたが、この筋肉は実は腹式呼吸をしなくても常に働いてくれています。特に歩く時に適度にこの腹筋が働いてくれます。

 つまり、腰痛になりやすい人で最も多いのが座りっぱなしであまり歩かない人です。研究によると最も腰痛が多い職業は長距離トラックの運転手さんのような職業ドライバーだという事がわかっています。図011をみてください。立っているより座っている時のほうが腰への負担は強いのです。

 図011姿勢と腰への負担の関係

 座りっぱなしで歩かないと筋肉が衰えて腰痛は進行し、椎間板や背骨が変形していきます。

 しかし、誤解しないで頂きたいのは歩きすぎも足腰に悪いのです。これは大切な事なので忘れないでください。

腰痛になりやすい人②中腰の姿勢をとる事が多い

 図011をみてもらうと、中腰の姿勢が最も腰への負担が強い事がわかります。実際に腰痛の人は中腰の姿勢をとると痛みが最も強くなる事が多いでしょう。
 職業柄こういう姿勢を強いられる人が腰痛になりやすいのです。介護の仕事などがその代表です。正直な所、現在の介護職のような仕事は誰が行っても腰を悪くします。社会問題だと思うのですが、どんなに体を鍛えたり柔軟性を向上させても介護職のような仕事は誰が行っても腰を悪くします。

 腰への負担が強すぎる仕事で強い腰痛がある場合は、手術が必要なレベルまで悪化する前に転職も含めて検討される事を強くお勧めします。

 
・・・

 体を使い足りなくても使い過ぎても腰痛になります。適度に運動を行う必要があるのですが、その適度にというのが難しい所です。
 本書の実技の章を参考にきつくない範囲で、しかし忘れずに運動をしてみてください。

 男性に多いのですが、足腰が悪くなると早く治すためにキツイ運動を詰めて行い、良くならないので1か月も続かずにやめてしまうような人が多いのです。

 筋肉が原因の腰痛を改善するには、効いているのか効いていないのかわからない程度の負荷の運動を、忘れずに継続してもらう必要があるのです。

 頑張るのではなく、忘れずに行う事が大切なのです。


まとめ
・筋肉が原因の腰痛は腹筋の衰えから
・腹筋運動の腹筋(腹直筋)でなはい
・筋肉が原因の腰痛が長く続くと椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症になる
 


第4章 椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症

 第2章で、椎間板ヘルニアや脊柱管の狭窄があってもそれが本当の痛みの原因であるかどうかはわからない、と述べました。

 この章では痛みの原因が本当に椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症であった場合について記述します。

図007のような場所、腰だけではなく太ももの付け根のあたりや脚まで痛みや痺れがある場合は本当にこれらの病気である可能性が高いので注意してください。


椎間板ヘルニア

 図012 前屈

 椎間板ヘルニアの一番の特徴は腰を曲げると痛みが強くなる事です。図012のように一度前屈をしてみてください。この時に強い痛みが出るのが椎間板ヘルニアの一番の特徴です。

図003

 椎間板ヘルニアは病気というよりも怪我の一種です。図003右側の絵は椎間板を輪切りにしたものです。

 中心部(髄核)がゼリー状の物質で外側(線維輪)が硬い軟骨です。

 右下の絵のように、中身のゼリーが硬い軟骨を突き破って後ろに飛び出して神経が当たる事で痛みや痺れがでます。

 図012のように腰を曲げると椎間板の傷口が開いてしまい、中身が後ろに押し出されます。図013
 そのため、痛みが強まるのです。

 だから椎間板ヘルニアは腰を曲げる時に痛みが強くなります。立ち上がる時、座る時、靴下を履く時などです。
 これらの動作はすべて腰が曲げられるために椎間板ヘルニアの人は痛みが強く出るのです。

 椎間板ヘルニアの多くは2~3か月で自然に治ります。飛び出している椎間板の中身が血液に吸収され、破れた軟骨の部分が再生され、ある一定の部分まで改善すると痛みはなくなります。

 ただし、腰を曲げる動作を繰り返しているとその度に傷口が開いてしまうのでいつまで立っても治りません。

 図012のように前屈をして痛みが強く出る間はとにかく腰を曲げないようにして、痛みを出さないようにする事が最も大切です。

 また、低い所に座ると腰は強制的に曲げられてしまいますので、出来るだけ低い所に座らないようにしてください。どうしても床に座る場合は正座で座ってください。

 図012のように前屈をしても強い痛みが出なくなれば次は腰を曲げる練習を行う、という流れで改善を行う流れとなります。

 図012のような前屈をして痛みが強く出る状態の時に自分で頑張って何かして治そうとして筋トレやストレッチをする人が多いのですが、この時期にそういう事を行ってはいけません。かえって悪化する場合も多いのです。

 とにかく腰を曲げず、強い痛みを出さないように工夫してください。

 椎間板ヘルニアはちゃんと治る事の方が多い反面、再発を繰り返す人も多い病気です。強い痛みがなくなれば、本書の実技の章にある運動を行ってください。

脊柱管狭窄症(すべり症・変形性腰椎症)

 脊柱管狭窄症は老化によって背骨が変形した状態です。椎間板ヘルニアは自然に治る事も多いのに対して、脊柱管狭窄症は時間の経過とともに進行して悪化していく事が多い病気です。

 足腰の痛みにより立ったり歩いたりする能力が低下していくのがその特徴です。多くの日本人は70代で足腰を悪くして一人で歩く事が難しくなりますが、早い人では50代でこれが起こり始める事もあります。

 脊柱管狭窄症は通常MRIを撮って確定診断となりますが、レントゲンを撮っただけで骨と骨の隙間が狭くなっていれば脊柱管狭窄症、骨のズレがあればすべり症と診断される事もよくあります。

 誤解されがちなのですが、背骨の骨と骨の隙間が狭いのが脊柱管狭窄症ではありません。脊柱管という管が他の組織に圧迫されて狭くなるのが脊柱管狭窄症です。
 ただし、骨と骨の隙間が狭いという事は骨の間にある椎間板が変形して脊柱管を圧迫しているという事なので、レントゲン写真だけで脊柱管狭窄症と診断される事も多いのです。

 注意が必要なのは、第2章で紹介したように足腰が痛くない人のMRIを撮っても多くの人に脊柱管の狭窄が映っているという事です。

 MRIに脊柱管狭窄の画像が映っている人のうち、本当に痛みなどの症状があったのは約15%しかいなかったのです。

 これは千人近い中高年の人達に対して行われたかなり大規模な調査の結果であり信頼性の高いデータです。

 この研究からわかる事は脊柱管の狭窄があっても痛み等の症状はなくなるという事を意味します。脊柱管の狭窄はあるけど痛みが出ていない約85%の人達と同じ状態に戻れば痛みがなくなるという事です。

 運動療法によって脊柱管狭窄症の症状が改善したという論文もありますし、実際に手術しなくても脊柱管狭窄症が治ったという人はたくさんいます。

あなたの周りにもそんな人がいるかもしれないし、そんな体験談をみた事もあるのではないでしょうか?

 脊柱管狭窄症は歩くと痛みや痺れがでます。痛みだけの人、痺れだけの人、痛みと痺れが両方ある人など症状の現れ方は多様ですが、歩くと症状が強くなるのがその特徴です。

 そして少し腰掛けたり腰を曲げればまたすぐに歩けるようになります。

 このちょっと腰掛けたり腰を曲げたりせずに歩ける距離が短くなっていくという形で進行していく病気なので、このちょっと休まずに歩ける距離を毎日測る必要があるのです。

 その日ごとの調子で痛みが強くなったり弱くなったりする人が多いので、1週間くらい毎日同じ様に歩いて、調子の良い日の数字・調子の悪い日の数字・平均でどれくらい歩けるのかを測り、その同じ数字を次の1週間とか、1か月後の1週間の数字と比較してよくなっているかどうかを確認します。

 脊柱管狭窄症の人が行うべき運動療法は、筋肉が原因の腰痛の人が行う運動と基本的には同じなのですが、改善しているかどうかを休まず歩ける距離でみていくという見方になるのです。

 もし、痛くてもずっと休まずに歩けるという場合は、脊柱管狭窄症自体が軽度であるか、または本当の痛みの原因が脊柱管狭窄症ではない可能性があります。

 
背骨が原因ではない坐骨神経痛

 この章のはじめに、図007のような場所に痛みや痺れがある坐骨神経痛が出現している場合は本当に脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアの可能性が高いと述べました。

 しかしややこしいのですが、背骨に問題がなくてもこの坐骨神経痛が起こる事があるのです。
 図014 梨状筋
 
 図014の梨状筋というお尻の筋肉の下の隙間から坐骨神経痛が足までのびています。背骨の中で神経が圧迫されなくても、お尻の筋肉が硬くなって神経を圧迫しても、同じ様に坐骨神経痛が現れるのです。これを梨状筋症候群と言います。

簡単な方法ですが梨状筋症候群のテストを紹介します。

鑑別法1
001 002 003 004
① つま先を少し開いて立つ
② い側の脚に体重をかける
③ つま先を内側に向ける
④ 痛い側に体重をかける

②よりも④の方が痛みが強い場合は梨状筋症候群を疑う

鑑別法2
写真のように脚を組む
005
写真右側のように、痛む方のスネの角度が立ってしまっている場合は梨状筋症候群を疑う

鑑別法3 
写真の様に脚を組む→背筋を伸ばしたまま体を前に倒す
006 007
脚を組んだ時点でスネの角度に左右の差がなくても、体を倒した時に痛みが出たり、痛みが出ている方の筋肉の張りを強く感じる場合は梨状筋症候群を疑う


注意点
 ここで紹介した鑑別法で梨状筋症候群に当てはまった場合、梨状筋症候群で坐骨神経痛が出ている可能性が高いといえます。しかし、そもそもこの梨状筋症候群は椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症に併発しやすいものなので、やはり坐骨神経痛が出現している場合は、診断の通り本当の意味での椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症である場合が大半です。

 しかし、この梨状筋症候群による坐骨神経痛が併発する事で、痛みの出方を強くしていたりややこしくしている場合が多いのです。

 例えば典型的な椎間板ヘルニアの場合は腰を曲げると痛いけど反っても痛くないはずなのですが、梨状筋症候群が併発していると腰を反っても痛みが出る事もあります。

 脊柱管狭窄症の場合、座ったり寝たりしている状態では痛くないのですが、梨状筋症候群が併発すると長く座っていると辛いとか、寝返りするのも痛いというような痛みの出方をする事があるのです。

 ですので、お尻の筋肉のストレッチなどを行い梨状筋の状態も一緒に改善していく事が大切なポイントとなります。


まとめ
・坐骨神経痛がでている場合は本当に椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の可能性が高い
・椎間板ヘルニアは自然に治る事も多い
・脊柱管の狭窄があっても症状はなくなる場合も多い
・梨状筋症候群という筋肉が原因の坐骨神経痛が併発しているかもしれない


第2部 実技

 ここからは改善方法の実技の紹介に移ります。優先順位の高い順に紹介して参りますので、優先順位の高いものを、できるだけたくさん行ってください。

 1分でできる第6章の運動だけでもよいので行ってみてください。

 もし医師に椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症と診断された事のある方は、先に第5章の内容をはじめに行ってください。

※どの運動も行って痛みが強くなるような場合は絶対に無理に行わないでください。


第5章 椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症

椎間板ヘルニア

 椎間板ヘルニアの症状が強く出ている場合は運動を行うよりも腰を曲げずに安静にしておく方が良いので、まず下記のテストをはじめに行ってください。

テスト1

写真のように前屈してみてください。008

 もしこのテストで強い痛みが出ない場合は次の第6章の運動を行ってください。

 このテストで強い痛みが出る場合はこの章の注意点をよく読んで、日常生活で注意・工夫をしてください。


このテストで痛みが強く出る場合、普段の生活で腰を曲げないよう注意してください。

・着替える時 特に靴下を履くとき
・靴を履くとき
・立ち上がる時
・座る時

このような動作では腰を曲げる事が多いので、腰を曲げないように注意して動作を行ってください。
 例えば写真009のように、履くときに踵を触らないと履けないような靴を避けるとか、立ち上ったり座り込む時に腰を曲げないように注意してください。

 腰を曲げると椎間板の傷口が開いてしまいます。だから腰を曲げる動作をすると痛みが出ます。そしてそれを繰り返しているといつまでたっても椎間板ヘルニアは治りません。


 低い所に座ると必然的に腰が曲げられてしまうので、座る時はできるだけ高めのイスに座るようにしてください。ソファのような所に座ると悪化します。
 床にも座らない方が良いのですが、どうしても床に座る時は正座してください。

 あぐらや三角座り、長座位は避けてください。

反対に腰を反らせると良いので、以下の運動ちょくちょくを行ってください。


運動1 腰椎伸展 臥位 010 011
運動2 腰椎伸展 立位 012 013

 テスト1を行っても強い痛みが出なくなれば、第6章の運動に進んでください。


脊柱管狭窄症

 まず、途中で立ち止まって腰を曲げたり、腰掛けたりせずに続けて無理なく30分歩けるかどうかを測ってください。
 無理なく30分歩けるようなら第6章に進んでください。


 もし、30分続けて歩くのが難しい場合、以下の方法で1日1回でよいので続けてどれだけ歩けるかを測ってください。

テスト 連続歩行距離の測定

一日1回、同じような時間帯に同じような場所を歩き、途中で立ち止まって腰を曲げたり、腰掛けたりせずに続けて無理なく何分歩けるかを測ってください。

何分歩けたかを記入し、毎日の記録をつけてください。


 調子の良い日と悪い日で歩ける距離に波がある事が多いため、1日単位の数字の差はあまり気にしないでください。

1週間分の記録を、その次の1週間とか、1か月後の1週間と比較して数字が伸びているかを確認します。


注意点
1:何かのついでに歩くのではなく、これを計測するためだけに歩く時間を作ってください。
2:時間は大体ではなく厳密に測ってください。
3:歩くときの姿勢や歩き方は気にせず、一番楽な歩き方で歩いてください。

この「テスト 連続歩行距離の測定」を行いながら、第6章の運動を行ってください。


第6章 基本運動1

この章で紹介するものは最も優先順位が高いものです。


運動1:腰の屈伸
この運動1か運動2のどちらかを行ってください

運動2:腰の屈伸+回旋
この運動2か運動1のどちらかを行ってください


運動3:お尻の筋肉のストレッチ


まとめ
この章で紹介した運動を2つ行っても1分ほどしかかかりません。最低でも朝・昼・晩の3回は行ってください。1時間おきとか、30分おきに1日10回でも20回でも行って構いません。
 ただし、時間を少し開けて行ってください。絶対にまとめてたくさんやらないでください。

 この程度の運動なので、きつくはないはずです。しかし、この程度だから忘れがちになります。頑張るのではなく、忘れずに一日のなかでこの二つの運動をできるだけ頻回に行ってください。

もっと運動を追加できる人は次の章の運動を追加して行ってください


第6章 基本運動2

運動1 30分ウォーキング
運動2 腹式呼吸


まとめ
 腹式呼吸はどこでもできるので、忘れさえしなければ簡単かと思います。一番手間なのがおそらく30分かためて歩く時間を作る事なのではないでしょうか。

 しかし、30分のウォーキングは何かと体に良いのでできればこの章の二つの運動までは日課として毎日行って頂ければと思います。

 ただし、難しければ前章の運動だけでよいので継続して行ってください。

 反対に、もっと運動を追加したい場合は次章以降の運動も行ってみてください。


第7章 バランステスト バランス練習

第8章 追加運動

腹式呼吸四つ這い
腸腰筋ストレッチ
ハムストリングスのストレッチ
内転筋ストレッチ
横リーチ
左右
臥位回旋
内転筋エクササイズ

第9章 総括

 最後に、この章では腰痛に対する基本的な考え方を少し整理してみたいと思います。

 実技の章で紹介した運動の中で、優先順位が高い第6章・第7章の運動の中には筋トレは一つもありません。

 筋肉が衰えると腰痛になりやすくなります。しかし、筋肉が衰えるというと筋力低下の事だと思われがちなのですが、筋肉の衰えというのは筋力低下の事だけを言うのではないのです。

・筋力低下
・筋持久力低下
・柔軟性の低下

 これらが筋肉の衰えなのです。

 多くの場合、特に男性は70代の前半くらいまでは純粋に筋力が足りない人は少ない印象を受けます。
 
 筋肉の柔軟性が低下して筋肉が硬くなると痛みの原因になるため、筋肉の柔軟性を出す運動が最も大切で、筋持久力が低下すると疲労ですぐに筋肉が硬くなってしまうため、痛みの原因になります。

 ですので、筋肉の柔軟性の向上と、筋持久力の向上が腰痛改善に対して優先順位が高くなるのです。

 そして、その為に行う運動というのは軽いストレッチと30分のウォーキング程度なのです。

 特に男性に多いのですが、体づくりをして腰痛を治そうというと、筋トレとハードなストレッチを行おうとする人がとても多いのです。

 30歳を過ぎたら自分が10代の時と同じ感覚で筋トレやストレッチを行えば、かえって身体を痛めてしまいます。

 そして、骨折などの後遺症でよほど筋力が衰えている場合を除いて、特に男性に筋トレは必要ありません。
 反対に、細身の女性は筋力が足りていない場合もあります。そのような方は第8章で紹介した運動のなかにあるトレーニングをおこなってもらえると良いでしょう。


・・・

腰痛ベルト(コルセット)をしても大丈夫ですか?

 図のような腰痛ベルト(コルセット)をしても良いですか? と患者さんに聞かれる事があります。これを付けると腹筋が衰えるからダメだと言われる事が多いそうです。
 しかし、腰痛ベルトの着用で筋肉が衰えたというデータはありません。反対に6ヵ月着用しても筋肉が衰えなかったというデータがありますので、腰痛ベルトをつけて楽になるなら着けていたほうが良いでしょう。

 特に仕事で腰に負担をかけるようなお仕事の場合は調子の良い時でも仕事中は着けておいても良いでしょう。

 ただし、腰痛ベルトと筋肉の関係の研究自体が少なく、今後相反するデータが出てくる可能性もあります。

 腰痛ベルトを着けても痛み方が変わらないのであれば、わざわざ無理に着用する必要はありません。

 ちなみに、これは緩く着けてもあまり効果がないので、しっかりときつめに着けてください。


温めた方が良いですか?

 温めた方が良いですか? と患者さんに聞かれる事がありますが、温めた方が良いです。冷えると筋肉が硬くなって痛みを強く感じる様になります。

 不快でなければ、半身浴で15~30分くらい入浴してしっかり身体を温めるとよいでしょう。

 他にも、温泉は良いですか?と聞かれる事もあるのですが、普通のお湯にくらべて若干保温効果が高いので無意味ではありません。ただし、市販の入浴剤でも同じ効果を得られますので遠方に湯治に行く必要はありません。


マッサージに行っても良いですか?

 マッサージに行って筋肉をほぐしてもらった方が良いですか? と聞かれる事もあります。強く押したり長く揉んだりしなければ害はないのでマッサージに行く事自体は構いませんが、すぐにまた硬くなるので自分で運動して体づくりをしないとあまり意味がありません。
 マッサージチェアなどは10~15分くらいで自動的に切れるようになっていますが、時間でいうとそのくらいまでであればマッサージも害はありません。反対に長くしすぎると筋肉を傷めてしまいかえって痛みが強くなってしまいます。いわゆる揉み返しというものです。

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